無線に関する備忘録

なぜ簡易無線局には無線従事者が不要か

電波法

第4条 無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。ただし、次に掲げる無線局については、この限りでない。

四 第二十七条の二十一第一項の登録を受けて開設する無線局(以下「登録局」という。)

第27条の21 電波を発射しようとする場合において当該電波と周波数を同じくする電波を受信することにより一定の時間自己の電波を発射しないことを確保する機能を有する無線局その他無線設備の規格(総務省令で定めるものに限る。以下同じ。)を同じくする他の無線局の運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないように運用することのできる無線局のうち総務省令で定めるものであつて、適合表示無線設備のみを使用するものを総務省令で定める区域内に開設しようとする者は、総務大臣の登録を受けなければならない。
第39条 第四十条の定めるところにより無線設備の操作を行うことができる無線従事者(略)以外の者は、無線局(アマチュア無線局を除く。以下この条において同じ。)の無線設備の操作の監督を行う者(以下「主任無線従事者」という。)として選任された者であつて第四項の規定によりその選任の届出がされたものにより監督を受けなければ、無線局の無線設備の操作(簡易な操作であつて総務省令で定めるものを除く。)を行つてはならない。ただし、船舶又は航空機が航行中であるため無線従事者を補充することができないとき、その他総務省令で定める場合は、この限りでない。
2 モールス符号を送り、又は受ける無線電信の操作その他総務省令で定める無線設備の操作は、前項本文の規定にかかわらず、第四十条の定めるところにより、無線従事者でなければ行つてはならない。

電波法施行規則

第33条 法第三十九条第一項本文の総務省令で定める簡易な操作は、次のとおりとする。ただし、第三十四条の二各号に掲げる無線設備の操作を除く。

四 次に掲げる無線局(特定無線局に該当するものを除く。)の無線設備の通信操作

(1)陸上に開設した無線局(海岸局((2)に掲げるものを除く。)、航空局、船上通信局、無線航行局及び海岸地球局並びに次号(4)の航空地球局を除く。)

六 次に掲げる無線局(適合表示無線設備のみを使用するものに限る。)の無線設備の外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作

(3)簡易無線局

七 次に掲げる無線局(特定無線局に該当するものを除く。)の無線設備の外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作で他の無線局の無線従事者(略)に管理されるもの

(4)簡易無線局(前号に該当するものを除く。)

よって、

  • 無線局の操作(通信操作、技術操作)は、原則として無線従事者又は主任無線従事者の監督を受ける者しか行えない(法39条1項)。
  • 省令で定める簡易な操作は、無線従事者又は主任無線従事者の監督を受ける者以外(つまり無資格者)でも行える(法39条1項)。
  • モールス符号による通信や省令で定める操作は、モールス符号による通信操作を行える無線従事者しか行えない(法39条2項)。
  • 簡易無線の登録局は、キャリアセンス機能を有する適合表示無線設備のみを使用する(法27条の21第1項)。
    • 前記以外の場合は、免許局となる。
  • 陸上に開設した無線局の通信操作は、簡易な操作である(施行規則33条4号(1))。
  • 適合表示無線設備のみを使用する簡易無線局の技術操作は、無線設備の外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものに限って、簡易な操作である(施行規則33条6号(3))。
  • 適合表示無線設備以外の設備を使用する簡易無線局の技術操作は、他の無線局の無線従事者に管理され、無線設備の外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものに限って、簡易な操作である(施行規則33条7号(4)
  • よって、適合表示無線設備のみを使用する簡易無線局は、外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼす技術操作を行わなければ、無資格者が操作できる。
  • 適合表示無線設備以外の設備を使用する簡易無線局は、他の無線局の無線従事者に管理されている時、外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼす技術操作を行わなければ、無資格者が操作できる。