鉄道運転規則
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(昭和62年3月2日運輸省令第15号)
- 制定:昭和62年(1987年)3月2日
- 施行:昭和62年(1987年)4月1日
- 改正:
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号(軌道運転規則等の一部を改正する省令第六条による改正)
- 平成6年3月30日号外運輸省令第14号(船舶法施行細則等の一部を改正する省令第三十三条による改正)
- 平成6年10月4日運輸省令第47号(新幹線鉄道構造規則等の一部を改正する省令第四条による改正)
- 平成9年1月16日運輸省令第1号(第一次改正)
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号(新幹線鉄道構造規則等の一部を改正する省令第六条による改正)
- 平成11年3月30日号外運輸省令第14号(第二次改正)
- 平成12年11月29日号外運輸省令第39号(中央省庁等改革のための国土交通省関係運輸省令等の整備に関する省令第百七四条による改正)
- 平成13年9月11日国土交通省令第126号(第三次改正)
- 廃止:平成14年3月8日号外国土交通省令第19号(施行 平成14年3月31日)
目次
第二款 指導通信式及び指導指令式(第百三十条〜第百四十二条)
第三款 指導隔時法及び特殊指導隔時法(第百五十三条〜第百五十七条)
第一章 総則
(目的)
第一条
第一条
この省令は、鉄道(全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号)第二条に規定する新幹線鉄道を除く。以下同じ。)における車両、線路その他輸送施設の取扱いを定めることにより、運転の安全を図り、もつて公共の福祉を確保することを目的とする。
(定義)
第二条
第二条
この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 列車 停車場外の線路を運転させる目的で組成された車両をいう。
二 動力車 動力発生装置を有する車両をいう。
三 閉そく 一定の区間に同時に二以上の列車を運転させないために、その区間を一列車に占用させることをいう。
四 危険品 国土交通大臣3が告示で定める物のうち火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)第二十条第二項の規定の適用を受けないものをいう。
2 前項に規定するもののほか、この省令において使用する用語は、普通鉄道構造規則(昭和六十二年運輸省令第十四号)において使用する用語の例による。
(停車場の境界)
第三条4
停車場内外の境界は、次のとおりとする。
一 場内信号機(車内信号閉そく式を施行する区間にあつては場内標識。次号において同じ。)
二 場内信号機がない場合は、停車場の区域を示す標
第三条
停車場内外の境界は、次の各号の線路ごとに、それぞれ当該各号に定めるとおりとする。
一 複線区間にある停車場における当該停車場に列車を進入させる線路又は単線区間にある停車場の線路 場内信号機又は場内標識(場内信号機及び場内標識がない場合は、停車場の区域を示す標)
二 複線区間にある停車場における当該停車場から列車を進出させる線路 停車場の区域を示す標
2 前項の規定にかかわらず、複線区間にある停車場にあつては、列車の運転に支障を及ぼすおそれのない場合は、一の場内信号機若しくは場内標識又は停車場の区域を示す標の位置を基準として当該停車場の二以上の線路における境界を定めることができる。
(細則の制定)5
第四条
鉄道事業者は、この省令の実施に関する細則を定めなければならない。6
2 前項の実施に関する細則は、国土交通大臣7がこの省令の実施に関する基準を告示で定めたときは、これに従つて定めなければならない。
(特別の取扱い)
第五条
鉄道事業者は、この省令の規定により難い特別の理由がある場合において国土交通大臣8(鋼索鉄道及び無軌条電車にあつては、当該事案の関する土地を管轄する地方運輸局長。9
10)の許可を受けたときは、これらの規定と異なる取扱いをすることができる。
2 前項の許可には、条件又は期限を付することができる。
(届出)12
第五条の二
(書類の提出)
第六条
第五条第一項又は前条15の規定により地方運輸局長に提出すべき申請書又は届出書16
17は、それぞれ当該事案の関する土地を管轄する地方運輸局長(当該事案が二以上の地方運輸局長の管轄区域にわたるときは、当該事案の主として関する土地の管轄する地方運輸局長。以下「所轄地方運輸局長」という。)に提出しなければならない。
第二章 係員
(運転の安全確保)
第七条
列車又は車両の運転に当たつては、係員の知識及び技能並びに運転関係の設備を総合的に活用して、その安全確保に努めなければならない。
(動力車操縦者の資格)
第八条
鉄道事業者は、動力車操縦者運転免許に関する省令(昭和三十一年運輸省令第四十三号)第四条第一項第一号から第三号までの運転免許を受けた者でなければ、列車又は車両を操縦させてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りではない。
一 鉄道事業者が公共団体のとき。
二 運転見習中の係員が運転免許を受けた者と当該運転免許に係る動力車に同乗してその直接の指導を受けるとき。
三 本線を支障するおそれのない側線において移動するとき。
(知識及び技能の保有)
第九条
係員は、列車又は車両の安全に運転するために十分な知識及び技能を保有しなければならない。
(係員の教育及び訓練)
第十条
次に掲げる作業を行う係員については、適性検査を行い、その作業を行うのに必要な保安のための教育を施し、作業を行うのに必要な知識及び技能を保有することを確かめた後でなければ、作業を行わせてはならない。
一 列車又は車両を操縦する社業
二 列車の運転順序変更、行き違い変更、運転の取消し等の運転整理を行う作業
三 列車防護、ブレーキの操作又は推進運転等の合図のため列車に乗務する作業
四 列車の運転に関して、閉そく、鉄道信号の取扱い又は転てつ器の操作をする作業
五 入換えに関して、鉄道信号の取扱い又は転てつ器の操作をする作業
六 線路、電車線路又は運転保安設備の保守、工事等で列車の運転に直接関係があるものを単独で行い、又は指揮監督する作業
七 踏切道を監視する作業
(心身異常の場合の処置)
第十一条
係員が、その知識及び技能を十分に発揮できない心身の状態にあるときは、前条第一項に掲げる作業を行わせてはならない。
(係員に対する監督)
第十二条
係員を監督する職にある者は、係員に対し、乗務前、列車の運転中その他適当なときに運転上必要な事項について報告を求め、又は指示を与える等適切な監督をしなければならない。
(列車防護用信号器具の携帯等)
第十三条
次に掲げる係員には、列車防護用の信号器具を携帯させなければならない。
一 列車を操縦する係員
二 列車防護、ブレーキの操作又は推進の合図のため列車に乗務する係員
三 線路、電車線路又は運転保安設備を監視し、又は巡視する係員
四 線路、電車線路又は運転保安設備の保守又は工事の指揮監督をする係員
五 トロリ(レールから容易に取り外すことができるトロ、ハンドカー及び軌道自転車をいう。以下同じ。)の使用を指揮する係員
六 踏切道を監視する係員
2 係員を配置する停車場には、列車防護用の信号器具を常備しておかなければならない。
(応急用の器具及び材料の整備)
第十四条
運転事故が発生した場合における応急復旧のための器具及び材料は、適当な箇所に整備しておかなければならない。
第三章 施設及び車両
第一節 線路の保全
(線路の保全)
第十五条
線路は、列車又は車両が所定の速度で安全に運転することができる状態に保持しなければならない。
2 本線が一時前項の状態でないときは、信号によりその旨を現示し、特に注意を必要とする箇所は、これを監視しなければならない。
(新設した線路等の検査及び試運転)
第十六条
新設し、改築し、又は修理した線路は、これを検査し、試運転を行つた後でなければ、使用してはならない。ただし、軽易な改築又は修理をした場合及び本線に支障を及ぼすおそれのない側線に対しては、試運転を省略することができる。
2 災害その他運転事故が発生した線路で故障の疑いがあるもの及び使用を休止した線路に列車又は車両を運転する場合には、あらかじめ当該線路を検査し、必要に応じ試運転を行わなければならない。
(本線の巡視及び監視)
第十七条
本線は、線区の状況、列車の運行状況等に応じ、巡視しなければならない。
2 本線において列車の運転に支障を及ぼす災害のおそれのあるときは、当該線路を監視しなければならない。
(線路の定期検査)
第十八条
線路については、次の各号に掲げる施設の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を超えない期間ごとに定期検査を行わなければならない。
一 軌道 一年
二 橋りよう、トンネルその他の構造物 二年
(記録)
第十九条
第十六条及び前条の規定により線路の検査を行つたときは、その年月日及び成績を記録しなければならない。
第二節 電力設備の保全
(電力設備の保全)
第二十条
列車又は車両を運転するための電力設備(以下「電力設備」という。)は、列車又は車両が所定の速度で安全に運転することができる状態に保持しなければならない。
2 本線の電車線路が一時前項の状態でないときは、信号によりその旨を現示し、特に注意を必要とする箇所は、これを監視しなければならない。
(新設した電力設備等の検査及び試運転)
第二十一条
新設し、改造し、又は修理した電力設備は、これを検査し、試運転を行つた後でなければ、使用してはならない。ただし、軽易な改造又は修理をした場合には、試運転を省略することができる。
2 災害その他運転事故が発生した電力設備で故障の疑いがあるもの及び使用を休止した電力設備により列車又は車両を運転する場合には、あらかじめ当該電力設備を検査し、必要に応じ試運転を行わなければならない。
(電車線路の巡視)
第二十二条
本線の電車線路は、線区の状況、列車の運行状況等に応じ、巡視しなければならない。
(電力設備の定期検査)
第二十三条
電力設備については、次の各号に掲げる設備の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を超えない期間ごとに定期検査を行わなければならない。
一 電車線、主変圧器、き電側遮断機その他の重要な電力設備 一年
二 前号に掲げる電力設備以外の電力設備 二年
223前項の規定にかかわらず、電力設備に故障が発生し、又は故障の疑いがある場合に、当該電力設備の予備装置が自動的に動作する等の機能を備えたものについては、同項の定める期間を延長することができる。
(絶縁耐力試験及び絶縁抵抗試験)
第二十四条
第二十一条第一項の規定により電力設備の検査を行うときは、電気回路の機器及び電線について、絶縁耐力試験を行わなければならない。ただし、電気回路の機器及び電線について軽易な改造又は修理をした場合並びに電気回路の使用電圧が三百ボルト以下である場合は、この限りではない。
2 第二十一条の規定により電力設備の検査を行うときは、電気回路の機器及び電線について、絶縁抵抗試験を行わなければならない。
(記録)
第二十五条
第二十一条及び第二十三条の規定により電力設備の検査を行つたときは、その年月日及び成績を記録しなければならない。
第三節 運転保安設備の保全
(運転保安設備の保全)
第二十六条
運転保安設備は、正確に動作することができる状態に保持しなければならない。
(新設した運転保安設備等の検査及び確認)
第二十七条
新設し、改造し、又は修理した運転保安設備は、これを検査し、機能を確かめた後でなければ、使用してはならない。災害その他運転事故が発生した運転保安設備で故障の疑いがあるもの及び使用を休止した運転保安設備を使用するときも、同様とする。
(運転保安設備の定期検査)
第二十八条
運転保安設備については、次の各号に掲げる設備の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を超えない期間ごとに定期検査を行わなければならない。
一 閉そく装置、信号機、連動装置その他の重要な運転保安設備 一年
二 前項に掲げる運転保安設備以外の運転保安設備 二年
2 前項の規定にかかわらず、運転保安設備に故障が発生し、又は故障の疑いがある場合に、当該運転設備の予備装置が自動的に動作する等の機能を備えたものについては、同項に定める期間を延長することができる。
(絶縁抵抗試験)
第二十九条
第二十七条の規定により運転保安設備の検査を行うときは、電気回路の機器及び電線について、絶縁抵抗試験を行わなければならない。
(記録)
第三十条
第二十七条及び第二十八条の規定により運転保安設備の検査を行つたときは、その年月日及び成績を記録しなければならない。
第四節 踏切道及び建築限界の保全
(踏切道の保全)
第三十一条
相当な期間にわたつて交通の頻繁な踏切道においては、踏切遮断機又は踏切警報機を設けることその他の方法によつて通行人に注意を与える措置を講じなければならない。
第三十二条
手動の踏切遮断機を設けた踏切道には、列車又は車両の運転中係員を配置しなければならない。ただし、当該踏切道における列車及び車両の運転回数並びに交通量が著しく減少する時間には、係員の配置がないことを通行人が容易に認識することができる措置を講じた場合に限り、係員を配置しないことができる。
2 踏切道に設けた自動の踏切遮断機又は踏切警報機に故障が発生したことを認めたときは、その踏切道に係員を配置し、又はその他の方法により通行人に注意を与える措置を講じなければならない。
第三十三条
踏切遮断機又は踏切警報機を設けていない踏切道であつて、通行人が列車又は車両の接近を知ることが困難であると認めるものには、適当な箇所に汽笛吹鳴標を設けなければならない。
2 前項の箇所を通過する列車又は車両は、長緩汽笛を一声(必要に応じ数声)吹鳴しなければならない。
(建築限界の保全)
第三十四条
建築限界内には、列車及び車両以外の物を置いてはならない。ただし、工事等のためやむを得ない場合で列車又は車両の運転に支障を与えるおそれのないときは、この限りではない。
2 建築限界外であつても、建築限界内に崩れるおそれのある物を置いてはならない。
第五節 車両の整備
(車両の整備)
第三十五条
車両は、安全に運転することができる状態でなければ、これを使用してはならない。
(申請した車両等の検査及び試運転)
第三十六条
新製し、又は購入した車両及び改造し、又は修繕した車両は、これを検査し、試運転を行つた後でなければ、使用してはならない。ただし、軽易な改造又は修繕をした場合には、試運転を省略することができる。
2 脱線その他の運転事故が発生した車両で故障の疑いがあるもの及び使用を休止した車両を使用する場合には、あらかじめ当該車両を検査し、必要に応じ試運転を行わなければならない。
(車両の定期検査)
第三十七条
車両については、次の各号に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を超えない期間ごとに、その状態及び機能について定期検査を行わなければならない。
一 無軌条電車の電車 一月
二 蒸気機関車 四十日
三26 懸垂式鉄道、跨座式鉄道及び案内軌条式鉄道の電車 二月
第三十八条
車両については、次の各号に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を超えない期間ごとに、動力発生装置、走行装置、ブレーキ装置その他の重要な装置の主要部分について定期検査(次項において「重要部検査」という。)を行わなければならない。
一 蒸気機関車及び無軌条電車の電車 一年
二30 貨車 二年六月
三31 懸垂式鉄道、跨座式鉄道及び案内軌条式鉄道の電車 三年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年)
四 内燃機関車及び内燃動車32 四年33
34又は当該車両の走行距離が五十万キロメートル(予燃焼室式の内燃機関又は又はクラッチが乾式である変速機を有するものについては、二十五万キロメートル)35
36
37
五38 前各号に掲げる車両以外の車両 四年又は当該車両の走行距離が六十万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期[間
2 特殊の用に供する車両(専ら事故の復旧、線路の除雪又は施設の点検、検査若しくは保守の用に供する車両をいう。以下同じ。)については、前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を超えない期間ごとに、重要部検査を行わなければならない。
一 貨車 三年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから三年六月)
二 前項第四号及び第五号39に掲げる車両 三年六月(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年)又は当該車両の走行距離が四十万キロメートル(内燃機関車及び内燃動車にあつては、二十五万キロメートル)を超えない期間のいずれか短い期間
第三十九条
車両については、次の各号に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を超えない期間ごとに、車両の主要部分を取りはずして全般について定期検査(次項において「全般検査」という。)を行わなければならない。
一 無軌条電車の電車 三年
二 蒸気機関車40 四年
三 貨車 五年
五43 前各号に掲げる車両以外の車両 八年
2 特殊の用に供する車両については、前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号44に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を超えない期間ごとに、全般検査を行わなければならない。
一 貨車 六年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから六年六月)
二 前項第四号及び第五号45に掲げる車両 七年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから七年六月)
3 前二項の規定による検査をしたときは、当該車両の試運転を行わなければならない。
(水圧試験)
第四十条
第三十六条第一項及び前条の規定により車両の検査を行うときは、ボイラについて水圧試験を行わなければならない。ただし、第三十六条第一項の規定により、改造し、又は修繕した車両の検査を行うときは、ボイラに重要な改造又は修繕をした場合に限る。
2 前項の試験は、ボイラの最高使用圧力の一・三五倍以上の水圧を使用し、これを少なくとも五分間持続させて行うものとする。
(絶縁耐力試験)
第四十一条
第三十六条第一項及び第三十九条の規定により車両の検査を行うとき(蒸気機関車については、第三十六条第一項の規定により検査を行う場合に限る。)は、電気回路の機器及び電線について絶縁耐力試験を行わなければならない。ただし、第三十六条第一項の規定により、改造し、又は修繕した車両の検査を行うときは、電気回路の機器及び電線に重要な改造又は修繕をした場合に限る。
2 前項の試験は、電気回路の使用電圧が直流七百五十ボルト又は交流三百ボルトを超える場合には、最大使用電圧の一・六五倍以上の電圧を使用し、これを少なくとも一分間持続させて行うものとする。
(絶縁抵抗試験)
第四十二条
第三十六条第一項及び第三十七条から第三十九条までの規定により車両の検査を行うとき(蒸気機関車については、第三十六条第一項及び第三十九条第一項の規定により検査を行う場合に限る。)は、電気回路の機器及び電線について絶縁抵抗試験を行わなければならない。
(使用を休止した車両等の検査に関する特例)
第四十三条
使用を休止した車両(無軌条電車の電車以外の車両であつて、使用を休止した期間中に発生するおそれのある腐食、変形、電気的絶縁の劣化等車両の強度及び機能の低下を防止するために必要な措置を講じたものに限る。)についての第三十七条から第三十九条までの規定による検査に係る期間の計算については、その使用を休止した期間は、算入しない。ただし、その算入しない期間は、次の各号に掲げる検査の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を限度とする。
一 第三十七条の規定による検査 二月(蒸気機関車にあつては、四十日)
二 第三十八条の規定による検査 二年(蒸気機関車にあつては、一年)
三 第三十九条の規定による検査 四年
2 第三十七条から第三十九条までの規定により検査を行わなければならないこととされた時において現に使用を休止している車両については、これらの規定にかかわらず、当該車両のの使用を休止している期間が終了するときまでは、検査を延期することができる。
第四十四条
第三十七条から第三十九条までの規定により検査を行わなければならないこととされた時において、災害その他やむを得ない事由により検査を行うことができない車両については、これらの規定にかかわらず、当該検査を行うことができない事情が終了するときまでは、検査を延期することができる。
(車両の検査及び試運転を行う者)
第四十五条
車両の検査及び試運転は、当該車両の所属する事業を経営する者が行うものとする。
(列車の検査)
第四十六条
列車については、その種類及び運行状況に応じ、車両の狩猟部分の検査を行わなければならない。
(検査の表記及び記録)
第四十七条
第三十九条の規定により車両の検査を行つたときは、その年月を当該車両に表記しなければならない。
2 第三十六条から第三十九条までの規定により車両の検査を行つたときは、その年月日及び成績を記録し、その記録は、当該検査の後最初に行う第三十九条までの規定による検査を終えるまで保存しなければならない。
第六節 積載制限等
(車両の積載制限等)
第四十八条
車両には、当該車両に表記してある積載量を超えて物を積載してはならない。
2 車両に物を積載する場合には、重量の負担が均等になるように努め、運転中の動揺を考慮して崩落、転倒等のおそれのないようにしなければならない。
3 車両(無がい車を除く。)には、車両限界を超えて物を積載してはならない。
4 無がい車には、車両限界を超え、かつ、車両の側板及び妻板の内側に添う直立面又は車体から外方に突出するように物を積載してはならない。ただし、特大貨物を輸送する場合において、その積載状態が車両の運転に支障を与えるおそれのないことを確かめたときは、この限りではない。
(乗車等の制限)
第四十九条
鋼索鉄道の車両には、最大乗車人員を超えて旅客(混載される荷物を含む。)を乗車させてはならない。
2 前項の場合において、十二歳未満の小児又は荷物については、次に掲げる人員又は重量ごとに最大乗車人員一人として換算し、その換算上端数が生じたときは、切り上げて計算するものとする。
一 十二歳未満の小児にあつては、一・五人
二 荷物にあつては、その重量六十キログラム
(危険品の積載)
第五十条
密閉式構造の車両に危険品を充てんしたとき、又は危険品を充てんした容器を車両に積載するときは、危険品の漏れるおそれのないことを確かめなければならない。
2 危険品を積載している車両には、両側の見やすい箇所に危険品を積載している旨の表示をしなければならない。
(消火器の備付け)
第五十一条
機関車(蒸気機関車を除く。)、旅客車及び乗務係員が執務する車室を有する貨物車には、消火器を備え付けなければならない。ただし、二酸化炭素又はハロゲン化物(プロモトリフルオロメタンを除く。)を放射する消火器は、旅客車の客室又は通路に備え付けてはならない。
2 前項の消火器は、構造及び性能が消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二十一条の二第二項の規定する技術上の規格に適合するものでなければならない。
3 第一項の消火器は、使用に際して容易に取りはずすことができるように備え付けなければならない。
第四章 運転
第一節 列車の組成
(列車の最大連結両数)
第五十二条
列車の最大連結両数は、施設の状況並びに車両の性能、構造及び強度に応じて定めなければならない。
(組成車両の連結)
第五十三条
列車を組成する車両は、それを相互に連結しなければならない。
(列車の非常制動距離)
第五十四条
非常制動による列車の制動距離は、六百メートル以下としなければならない46。
(列車のブレーキ)
第五十五条
列車には、貫通ブレーキを使用しなければならない。ただし、次に掲げる場合にあつては、この限りではない。
一 列車が、動力は一両のみ若しくは機関車のみの列車であつて各帰還者に操縦する者が乗り込むもの又は工事列車、救援列車若しくは除雪列車であるとき。
二 故障等により一部の車両に貫通ブレーキが作用しない場合において、当該車両を列車の中間部に連結し、かつ、列車の最前部及び最後部の車両においてブレーキを使用するとき。
三 貫通ブレーキが作用しない破損した車両、特殊車等(列車の中間部に連結できないものに限る。)を列車(六十五キロメートル毎時を超える速度で運転する旅客列車の用に供するものを除く。)の最後部に一両に限り連結して使用するとき。
(列車の制動軸数)
第五十六条
六十五キロメートル毎時を超える速度で運転する列車は、その列車の連結軸数に対する青銅軸数の割合が、百分の八十以上となるようにしなければならない。
2 前項以外の列車については、線路の標準こう配(隣接する停車場間において一キロメートルを隔てた任意の二地点を結ぶこう配のうち最も急なもの(隣接する停車場間の距離が一キロメートルに満たないときは、当該停車場の中心を結ぶこう配)をいう。)及び速度に応じて必要な連結軸数に対する制動軸数の割合を定め、かつ、その割合以上の制動軸を備えなければ、これを運転してはならない。
(列車の制動力の均等)
第五十七条
列車を組成するときは、制動力がなるべく均等になるように、車両を配置しなければならない。
(動力車の連結位置)
第五十八条
列車を運転するための動力車は、次に掲げる場合のほか列車の最前部に連結しなければならない。
一 総括制御法により運転するとき。
二 補助動力車として使用するとき。
三 推進運転をするとき。
(危険品等積載車両の連結制限)
第五十九条
危険品のみを積載している車両(密閉式構造の車両を除く。)を列車に連結するときは、旅客の常用に供している車両に対し三両以上の、動力車に対し一両以上の空車又は火薬類及び危険物以外の貨物を積載している車両を介在させなければならない。この場合において、ボギー車一両は、二両とみなす。
(列車のブレーキの試験)
第六十条
列車を組成したとき又は列車の組成を変更したときは、当該列車を出発させる前にブレーキを試験し、その作用を確認しなければならない。
第二節 列車の運転
(停車場外の本線の運転)
第六十一条
車両は、列車として出なければ停車場外の本線を運転してはならない。ただし、車両の入換えをするときは、この限りではない。
(列車の運転時刻)
第六十二条
列車の運転は、停車場における出発、通過又は到着の時刻を定めて行わなければならない。
2 列車の運行が乱れたときは、列車の性質等を考慮して運転整理を行い、所定の運行に復するように努めなければならない。
(運転整理)
第六十三条
列車の運転順序変更、行き違い変更、運転の取消し等の運転整理を必要とするときは、その都度運輸長又は運転整理担当者(運輸長があらかじめ指定する者に限る。以下同じ。)の指令によつてこれを行わなければならない。
(列車の操縦位置)
第六十四条
列車は、最前部の車両の前頭において操縦しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りではない。
一 推進運転をするとき。
二 退行運転をするとき。
三 車両に故障があるとき。
(列車の左側運転)
六十五条
上下列車を区別して運転する一対の線路においては、列車の左側の線路により運転しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りではない。
一 停車場内を運転するとき。
二 退行運転をするとき。
三 工事列車、救援列車又は除雪列車を運転するとき。
四 施設又は車両の試験等のために運転するとき。
(列車の推進運転)
第六十六条
列車は、推進運転をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りではない。
一 線路、電車線路又は車両に故障があるとき。
二 工事列車、救援列車又は除雪列車を運転するとき。
三 停車場とその構外の本線の途中から分岐する側線との間を運転するとき。
四 折返し式の停車場で折返し運転をするとき。
五 あらかじめ定める特定の区間を運転する列車で最前部の車両の前頭において汽笛合図及び貫通ブレーキの操作をするとき。
2 前項第五号に掲げる汽笛合図及び貫通ブレーキの操作は、動力車を操縦することができる者に行わせなければならない。
(列車の退行運転)
第六十七条
列車は、退行運転をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りではない。
一 線路、電車線路又は車両に故障があるとき。
二 工事列車、救援列車又は除雪列車を運転するとき。
三 施設又は車両の試験等のために運転するとき。
2 前項に掲げる場合であつても、次に掲げる場合を除くほか、自動閉そく式又は車内信号閉そく式を施行する区間を運転する列車にあつては閉そく区間(出発信号機又は出発標識が設けられた停車場間が一閉そく区間である区間を除く。)の、隔時法又は特殊隔時法により運転する列車にあつては隔時法又は特殊隔時法を施行する区間の、票券隔時法により列車を運転して通券を使用する列車にあつては票券隔時法を施行する区間の、指導隔時法又は特殊指導隔時法により運転して指導券を使用する列車にあつては指導隔時法又は特殊指導隔時法を施行する区間の途中から退行してはならない。
一 退行を予定しているとき。
二 後方の停車場の閉そく取扱者の指示を受けたとき。
三 閉そく区間又は隔時法、特殊隔時法、票券隔時法、指導隔時法若しくは特殊指導隔時法を施行する区間を越えない範囲内での退行であつて、その退行の範囲の外方適当な距離を隔てた地点に停止手信号又は発炎信号を現示して、後続列車を停止させる手配をしたとき。
(停車場以外での旅客又は貨物の取扱い)
第六十八条
列車は停車場外の本線の途中で、旅客又は貨物の取扱いをするために停止してはならない。ただし、特大貨物の輸送を行い場合であつて、やむを得ない理由があるときは、この限りではない。
(列車の同時進入進出)
第六十九条
列車が誤つてその停止すべき位置を行き過ぎることにより、二線が接続し、又は交差する線路上において他の列車又は車両との衝突又は接触(以下「過走による相互支障」という。)を生じるおそれのある場合には、二以上の列車を同時に停車場に進入させ、又は停車場から進出させてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りではない。
一 警戒信号を現示して列車を運転するとき。
二 自動的に列車を停止させることができる装置を設けてあるとき。
三 安全側線が設けてあるとき。
四 場内信号機又は出発信号機若しくは列車停止標識から過走による相互支障を生ずる限界までの距離が百メートル以上あり、かつ、列車の速度を二十五キロメートル毎時以下に制限するとき。
五 場内信号機又は出発信号機若しくは列車停止標識から過走による相互支障を生ずる限界までの距離が百五十メートル以上あるとき。
(列車防護)
第七十条
次に掲げる場合は、列車防護(列車の停止を要する障害が発生した場合において、進行してくる列車を停止させるために、列車の制動距離を考慮して停止信号又は車内停止信号を現示することをいう。)をしなければならない。
一 脱線等により列車が隣接する線路を運転する列車の進路を支障したとき。
二 隔時法又は特殊隔時法を施行する区間を運転する列車及び票券隔時法、指導隔時法又は特殊隔時法を施行する区間を通券若しくは指導券を携帯して運転する列車が、その区間の途中で停止したとき。
三 列車が、救援列車を要求し、又は救援列車を運転する旨の通知を受けたとき。
四 工事列車が、更に他の工事列車を運転する旨の通知を受けたとき。
五 前各号に掲げるもののほか、線路、電車線路その他の箇所に列車の停止を要する障害を発見したとき。
(先行列車に接近した列車の運転)
第七十一条
自動閉そく式又は車内信号閉そく式を施行する区間を運転する列車が先行列車に接近したときは、速やかに停止し、先行列車が進行を開始した後一分を経過しなければ進行してはならない。
2 隔時法、票券隔時法又は指導隔時法を施行する区間を運転する列車が先行列車に接近したときは、速やかに停止し、先行列車が進行を開始した後五分を経過しなければ進行してはならない。
3 特殊隔時法又は特殊指導隔時法を施行する区間を運転する列車が先行列車に接近したときは、速やかに停止し、先行列車が進行を開始した後二分を経過しなければ進行してはならない。
(列車防護に必要な係員の乗務)
第七十二条
列車には、動力車の操縦に要する係員の補か、列車防護に当たる係員を乗務させなければならない。ただし、次に掲げる列車にあつては、この限りではない。
一 救援列車
二 除雪列車
三 動力車を操縦する者が二人以上乗務している動力車のみの列車
四 線区の状況、列車の運行状況、列車の組成等により、列車防護に当たる係員を乗務させなくても支障がないと認められる列車
(線路閉鎖)
第七十三条
工事のため線路閉鎖をする必要が生じたときは、運輸長又は運転整理担当者の指令によつてこれを行わなければならない。
(トロリの使用)
第七十四条
線路閉鎖をしないでトロリを使用するときは、列車の運転に支障がないようにその方法を定めなければならない。
(列車の危難防止)
第七十五条
暴風雨、暴風雪等により列車に危難の生ずるおそれのあるときは、その状況を考慮して、列車の運転を一時中止する等危難防止の措置を講じなければならない。
第三節 車両の入換え
(入換運転)
第七十六条
車両の入換えは、次のいずれかの方法によらなければ47ならない。
一 入換信号機又は誘導信号機によつて行う方法48
二 車内信号機によつて行う方法49
三 入換合図によつて行う方法50
四 無線装置を使用して行う方法51
2 定例となつている車両の入換えは、線路及び区間を定め、かつ、入換標識の表示に従つて行うときは、前項の規定によらないことができる。この場合においては、車両の運転を開始する前にその区間に支障がないことを確かめ、かつ、車両の運転を開始する時機を指示しなければならない。
3 本線又は他の側線を支障するおそれのない側線の車両の入換えに常用する区間の終端の外方において、あらかじめ区間を定めて車両のわずかな移動を行うときは、第一項の規定によらないことができる。
(入換えの禁止)
第七十七条
閉そくに承認を与えたとき又はこれを与えることができない閉そく方式若しくは閉そく準用法を施行しているときは、列車の進行してくる方向に対して停車場外の本線を支障する車両の入換えをしてはならない。ただし、やむを得ない理由がある場合で相当の防護をしたときは、この限りではない。
(突放及び流転の禁止)
第七十八条
車両は、適度に制動することができる場合でなければ、これを突放し、又はハンプ線において流転してはならない。
2 旅客の乗つている車両、火薬類を積載している車両又は突放若しくはハンプ線における流転により危害を生ずるおそれのある貨物を積載している車両は、これを突放し、若しくはハンプ線において流転し、又はこれに向かつて他の車両を突放し、若しくはハンプ線において流転してはならない。
(入換作業の監視)
第七十九条
本線を使用して車両の手押入換えをするときは、これを監視しなければならない。
(列車の入換)
第八十条
列車の入換えをするときは、これを車両の入換えとして取り扱うものとする。
第四節 転てつ器の操作
(転てつ器の定位)
第八十一条
転てつ器は、次に掲げる方向に開通しておくことをその定位としなければならない。ただし、電子連動装置又は継電連動装置52を使用する場合は、この限りではない。
一 本線と本線とを分岐する転てつ器は、主要な本線の方向。ただし、単線区間で上下本線を分岐する転てつ器は、列車の進入する方向
二 本線と側線とを分岐する転てつ器は、本線の方向
三 本線又は側線と安全側線とを分岐する転てつ器は、安全側線の方向
四 側線と側線とを分岐する転てつ器は、主要な測線の方向
五 脱線転てつ器は、脱線させる方向
第五節 車両等の留置
(車両の留置)
第八十二条
列車又は車両を留置する場合には、自動又は転動を防止するために必要な措置を講じなければならない。
(危険品積載車両の危険防止)
第八十三条
危険品を積載している車両を留置する場合には、周囲の状況を考慮して、、当該車両を他の線路に移す等危険防止の措置を講じなければならない。
第六節 運転速度
(列車の最高速度)
第八十四条
列車の最高速度は、線路及び電車線路の状態並びに車両の構造を考慮して定めなければならない。
2 下りこう配を運転する列車に対しては制動距離を、曲線を運転する列車に対しては車両の安定度を考慮して、その速度を制限しなければならない。
(列車の前頭以外において操縦する場合の速度)
第八十五条
列車は、第六十四条ただし書きの規定により最前部の車両の前頭以外の場合において操縦する場合(退行運転をするときを除く。)は、除雪列車を除き二十五キロメートル毎時を超えない速度で運転しなければならない。ただし、最前部の車両の前頭において気笛合図及び貫通ブレーキの操作をする列車は、四十五キロメートル毎時を超えない速度で運転することができる。
2 前項ただし書きの規定による気笛合図及び貫通ブレーキの操作は、動力車を操縦することができる者に行わせなければならない。
(退行運転の速度)
第八十六条
列車は、第六十七条第一項(第一号の規定に係る部分に限る。)の規定により退行運転をする場合は、十五キロメートル毎時を超えない速度で運転しなければならない。
2 列車は、前項の規定する場合を除き、退行のために推進運転の状態となるときは、二十五キロメートル毎時を超えない速度で運転しなければならない。
(機関車を逆向きにして操縦する場合の速度)
第八十七条
列車は、炭水車付きの機関車を逆向きにして操縦する場合は、四十五キロメートル毎時を越えない速度で運転しなければならない。ただし、列車の最前部以外に連結する場合は、この限りではない。
(鎖錠されていない転てつ器の通過速度)
第八十八条
列車は、鎖錠されていない転てつ器を対向して通過する場合は、二十五キロメートル毎時を超えない速度で運転しなければならない。
(閉そく準用法を施行する場合の速度)
第八十九条
列車は、閉そく準用法(伝令法を除く。)を施行する場合は、三十五キロメートル毎時(特殊隔時法及び特殊指導隔時法を施行する場合にあつては、二十五キロメートル毎時)を超えない速度で運転しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、貫通ブレーキを使用しない列車は、二十五キロメートル毎時(特殊隔時法又は特殊指導隔時法を施行する場合にあつては、十五キロメートル毎時)を超えない速度で運転しなければならない。
(閉そく信号機の停止信号の現示箇所を越えて進行する場合等の速度)
第九十条
列車は、第百六十九条の規定により停止信号の現示箇所を越えて進行する場合又は車内停止信号が現示されている区間を進行する場合は、十五キロメートル毎時を超えない速度で運転しなければならない。
(信号による列車の制限速度)
第九十一条
列車は、次の各号に掲げる信号の現示箇所を越えて進行する場合には、それぞれ当該各号に定める速度を超えない速度で運転しなければならない。
一 警戒信号 二十五キロメートル毎時
二 注意信号 次の停止信号(停止信号の現示がないときは停止位置)の現示箇所で停止するのに適当な速度又は次の警戒信号の現示箇所を所定の速度で越えて進行するのに適当な速度
三 減速信号 次の注意信号又は警戒信号の現示箇所を所定の速度で越えて進行するのに適当な速度
四 誘導信号 十五キロメートル毎時
五 徐行信号 現示された速度
2 場内信号機、出発信号機又は閉そく信号機の注意信号又は減速信号の現示箇所を越えて進行する場合の列車の速度は、一定の速度を定め、その速度を超えない速度で運転しなければならない。
(車内信号による列車の制限速度)
第九十二条
車内信号機を使用して運転する列車は、車内進行信号が示す速度を超えない速度で運転しなければならず、車内進行信号の現示が変化した直後においてその信号が示す速度を超えて運転しているときは、速やかに当該速度を超えない速度に減速しなければならない。ただし、第百六十九条第二項の規定により車内停止信号が現示されている区間を進行する場合は、この限りではない。
(入換えの速度)
第九十三条
車両は、次の各号に掲げる入換えをするときは、それぞれ当該各号に定める速度を超えない速度で入換えをしなければならない。
一 動力車のみの入換えを呼び入換信号機による入換え(次号に掲げるもの及び鎖錠されていない転てつ器を対向して通過するものを除く。) 四十五キロメートル毎時
二 誘導信号機による入換え 十五キロメートル毎時
三 前二号に掲げる入換え以外の入換え(車内信号機による入換えを除く。)53 二十五キロメートル毎時
2 車内信号機によつて入換えをする車両については、前条(ただし書を除く。)の規定を準用する。54
第五章 閉そく等
第一節 総則
(閉そく区間)
第九十四条
本線は、これを閉そく区間に分けて列車を運転しなければならない。ただし、全線を通じて二以上の列車を同時に運転しない鉄道又は線区にあつては、この限りではない。
2 停車場内の本線は、閉そく区間としないことができる。
3 第九十八条の規定による場合を除くほか閉そく区間は併合又は分割の取扱いをしてはならない。ただし、線区の状況、列車の運行状況等により、閉そく区間の併合又は分割の取扱いをしても列車の運転に支障がないと認められる場合は、この限りではない。
(一閉そく一列車)
第九十五条
一閉そく区間には二以上の列車を同時に運転してはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りではない。
一 第百六十九条の規定により停止信号の現示箇所を越えて進行するとき又は車内停止信号が現示されている区間を進行するとき。
二 閉そく準用法により列車を運転するとき。
三 閉そく区間内で列車を分割して運転するとき。
四 列車のある閉そく区間に他の列車を誘導するとき。
(閉そく方式の施行)
第九十六条
閉そく区間における列車の運転に対しては、常用閉そく方式を施行しなければならない。
2 前項の常用閉そく方式によることができない事由があるときは、代用閉そく方式を施行しなければならない。
(閉そく準用法の施行)
第九十七条
常用閉そく法式又は代用閉そく方式によることができない事由があるときは、閉そく準用法を施行しなければならない。
(閉そく方式等の変更指令)
第九十八条
事故のため閉そく方式、閉そく区間等を臨時に変更する必要が生じたとき及びこれを所定に復するときは、その都度運輸長又は運転整理担当者の指令によつて行わなければならない。
(閉そく方式の種類)
第九十九条
閉そく方式の種類は、次のとおりとする。
一 常用閉そく方式
イ 複線運転をするとき。
(1)自動閉そく式
(2)車内信号閉そく式
ロ 単線運転をするとき。
(1)自動閉そく式
(2)車内信号閉そく式
(3)特殊自動閉そく式
(4)連動閉そく式
(5)連査閉そく式
(6)タブレット閉そく式
(7)票券閉そく式
(8)スタフ閉そく式
二 代用閉そく方式
イ 複線運転をするとき
(1)通信式
(2)指令式
ロ 単線運転をするとき。
(1)指導通信式
(2)指導指令式
(3)指導式
(閉そく準用法の種類)
第百条
閉そく準用法の種類は、次のとおりとする。
一 複線運転をするとき。
イ 隔時法
ロ 特殊隔時法
ハ 伝令法
二 単線運転をするとき。
イ 票券隔時法
ロ 指導隔時法
ハ 特殊指導隔時法
ニ 伝令法
(閉そく等の取扱者)
第百一条
閉そく等(指令式又は指導指令式を施行する場合を除く。)の取扱者は、駅長とする。ただし、運輸長が駅長以外の者を指定したときは、その者に取り扱わせることができる。
2 指令式又は指導指令式を施行する区間にあつては、運転整理担当者が閉そくを取り扱わなければならない。
第二節 常用閉そく方式
第一款 自動閉そく式
(自動閉そく式の条件)
第百二条
自動閉そく式による閉そくは、次に掲げる場合において、自動作用により停止信号を現示する信号機を使用して行わなければならない。
一 閉そく区間又は重複区間に列車又は車両があるとき。
二 閉そく区間又は重複区間にある転てつ器が正当な方向に開通していないとき。
三 他の線路にある列車又は車両が分岐箇所又は交差箇所で閉そく区間又は重複区間を支障しているとき
四 閉そく装置に故障を生じたとき。
2 複線区間の信号機は、三位式55としなければならない。
3 単線区間で自動閉そく式を施行する区間の信号機は、第一項のほか、隣接する出発信号機が設けられた56停車場において、一方向の信号機に進行を指示する信号を現示したときは、その反対方向の信号機には停止信号を現示するものとしなければならない。
(単線運転をする場合の打合せ)
第百三条
単線区間で自動閉そく式を施行する閉そく区間にあつては、出発信号機が設けられた57停車場から列車を出発させる前に、専用の電話機を使用して隣接する行き違いが可能な停車場と打ち合わせて、その区間の運転の方向を決めなければならない。ただし、その区間の運転の方向を列車が制御するとき、又は遠隔制御するときは、この限りではない。
第二款 車内信号閉そく式
(車内信号閉そく式の条件)
第百四条
車内信号閉そく式による閉そくは、次に掲げる区間において、自動作用により車内停止信号を現示する信号機を使用して行わなければならない。
一 列車又は車両がある閉そく区間及び重複区間に列車又は車両がある場合のその外方の閉そく区間
二 正当な方向に開通していない転てつ器がある閉そく区間及び重複区間の転てつ器が正当な方向に開通していない場合のその外方の閉そく区間
三 他の線路にある列車又は車両により分岐箇所又は交差箇所が支障されている閉そく区間及び重複区間が他の線路にある列車又は車両により分岐箇所又は交差箇所を支障している場合のその外方の閉そく区間
四 閉そく装置に故障を生じた区間
五 前各号に掲げる区間の始端から、外方へ列車の制動距離を考慮して当該始端において停止できる距離を有する地点までの区間
2 前項第五号に掲げる区間において現示される車内停止信号は、同項第一号から第四号までに掲げる区間において現示される車内停止信号と現示の方式を異にするものでなければならない。
3 第百六十九条第二項の規定による運転をしないこととした区間において使用する信号機は第一項の規定にかかわらず、同項第一号から第四号までに掲げる区間において車内停止信号を現示しないものとすることができる。
(準用)
第百五条
第百二条第三項及び第百三条の規定は、車内信号閉そく式を施行する場合について準用する。この場合において、第百二条第三項中「出発信号機」とあるのは「出発標識」と、「停止信号」とあるのは「車内停止信号」と、第百三条中「出発信号機」とあるのは「出発標識」と読み替えるものとする。58
第三款 特殊自動閉そく式
(特殊自動閉そく式の条件)
第百六条
特殊自動閉そく式による閉そくは、次に掲げる場合において、自動作用により停止信号を現示する信号機を使用して行わなければならない。
一 出発信号機にあつては、閉そく区間に列車又は車両が進入し、かつ、当該列車又は車両が当該閉そく区間から進出していないとき。
二 場内信号機にあつては、閉そく区間に列車又は車両があるとき。
三 閉そく区間にある転てつ器が正当な方向に開通していないとき。
四 他の線路にある列車又は車両が、線路の分岐箇所又は交差箇所において閉そく区間を支障しているとき。
五 閉そく装置に故障を生じたとき。
(準用)
第百七条
第百二条第三項及び第百三条の規定は、特殊自動閉そく式を施行する場合について準用する。
第四款 連動閉そく式
(連動閉そく式の条件)
第百八条
連動閉そく式による閉そくは、閉そく区間の両端の停車場において、次に掲げる場合に自動作用により停止信号を現示する出発信号機、閉そくてこ及び専用の電話機を使用して行わなければならない。
一 閉そく区間に列車又は車両があるとき。
二 閉そく装置に故障を生じたとき。
2 前項の出発信号機は、その閉そく区間の両端の停車場の一方が出発信号機に進行信号を現示したときは、相手の停車場の出発信号機に進行信号を現示することができないものとしなければならない。
(連動閉そく式を施行する場合の承認)
第百九条
連動閉そく式を施行する閉そく区間に列車を進入させるときは、あらかじめ、相手の停車場の承認を受けなければならない。
2 前項の承認は、その閉そく区間に列車又は車両がないことを確かめた後でなければ与えることができない。
第五款 連査閉そく式
(連査閉そく式の条件)
第百十条
連査閉そく式による閉そくは、閉そく区間の両端の停車場において、出発信号機、列車が閉そく区間にあることを示す表示灯を備える一組の連査閉そく機、電鈴及び専用の電話機を使用して行わなければならない。
2 前項の出発信号機は、閉そく区間の両端の停車場が共同して取り扱わなければできないものとし、かつ、次に掲げる場合において、自動作用により停止信号を現示するものとしなければならない。
一 閉そく区間に列車又は車両が進入したとき。
二 閉そく装置に故障を生じたとき。
(準用)
第百十一条
第百八条第二項及び第百九条の規定は、連査閉そく式を施行する場合について準用する。
第六款 タブレット閉そく式
(タブレット閉そく式の条件)
第百十二条
タブレット閉そく式による閉そくは、閉そく区間の両端の停車場において、次に掲げる要件を備える一組のタブレット閉そく機、電鈴及び専用の電話機を使用して行わなければならない。
一 収容したタブレットは、閉そく区間の両端の停車場が共同してタブレット閉そく機を取り扱わなければこれを取り出すことができないこと。
二 閉そく区間の両端の停車場においてタブレット閉そく機から取り出すことができるタブレットは一個に限ること。
三 取り出されたタブレットをタブレット閉そく機に納めなければ他のタブレットは取り出すことができないこと。
四 種類の異なるタブレットを収容することができないこと。
2 隣接する閉そく区間のタブレットは、その種類を異にしなければならない。
(タブレットの再使用の禁止)
第百十三条
列車の運転に使用したタブレットは、一度タブレット閉そく機に納めた後でなければ、他の列車に使用してはならない。ただし、列車が列車運行図表に定めるところにより、五分以内に行き違い又は折り返しをする場合は、この限りではない。
(タブレットの携帯)
第百十四条
タブレット閉そく式を施行する閉そく区間にあつては、当該閉そく区間のタブレットを携帯しなければ列車を運転してはならない。
(タブレットの調節)
第百十五条
タブレットの調節は、運輸長又は運輸長の指定した者が閉そく取扱者と立ち会つてしなければならない。
2 前項の調節をしたときは、その年月日、時刻、理由その他必要な事項を記録しておかなければならない。
(準用)
第百十六条
第百九条の規定は、タブレット閉そく式を施行する場合について準用する。
第七款 票券閉そく式
(票券閉そく式の条件)
第百十七条
票券閉そく式による閉そくは、閉そく区間の両端の停車場において、一閉そく区間につき一個の通票及び専用の電話機を使用して行わなければならない。
2 前項の停車場には、通券箱に収容された通券及び次の表示をすることができる閉そく票を備えなければならない。
一 列車閉そく区間になし
二 列車閉そく区間にあり
3 隣接する閉そく区間にあつては、通票は種類を異にし、通券はこれを当該閉そく区間の通票の穴形を赤色で示すか又は色を異にしなければならない。
4 通券箱は、当該閉そく区間の通票でなければ開くことができないものとしなければならない。
(通券の記入事項及び再使用の禁止)
第百十八条
通券には、閉そく区間の両端の停車場名、発行の年月日及びこれを携帯させる列車の番号を記入しなければならない。
2 列車の運転に使用した通券は、他の列車に使用してはならない。
(通券を発行する場合)
第百十九条
通券は、通票がある停車場でなければ発行してはならない。
2 通券を発行する場合は、同一の閉そく区間で同一方向に二以上の列車を引き続き運転するときに限るものとする。この場合において、先発する列車には通券を、最期の列車には通票を携帯させるものとする。
(通券の授受)
第百二十条
閉そく取扱者は、列車を運転する者に通券を渡すときは、当該閉そく区間の通票を示さなければならない。
(通票又は通券の携帯)
第百二十一条
票券閉そく式を施行する閉そく区間にあつては、当該閉そく区間の通票又は通券を携帯しなければ列車を運転してはならない。
(準用)
第百二十二条
第百九条の規定は、票券閉そく式を施行する場合についても準用する。
第八款 スタフ閉そく式
(スタフ閉そく式の条件)
第百二十三条
スタフ閉そく式による閉そくは、閉そく区間の両端の停車場において、一閉そく区間につき一個のスタフを使用して行わなければならない。
2 隣接する閉そく区間のスタフは、その種類を異にしなければならない。
(スタフの携帯)
第百二十四条
スタフ閉そく式を施行する閉そく区間にあつては、当該閉そく区間のスタフを携帯しなければ列車を運転してはならない。
第三節 代用閉そく方式
第一款 通信式及び指令式
(通信式又は指令式を施行する場合)
第百二十五条
通信式又は指令式は、複線区間で故障その他の事由により自動閉そく式又は車内信号閉そく式を施行することができないときに施行するものとする。
(通信式の条件)
第百二十六条
通信式による閉そくは、閉そく区間の両端の停車場において、専用の電話機を選定し、かつ、通信式記録簿を使用して行わなければならない。ただし、当該閉そく区間における列車又は車両の有無を確認できる装置を使用する場合は、通信式記録簿を使用しないことができる。
2 前項の通信式記録簿には、閉そくの承認、列車の発着及び閉そくの解除について記録しなければならない。
(準用)
第百二十七条
第百九条の規定は、通信式を施行する場合について準用する。
(指令式の条件)
第百二十八条
指令式による閉そくは、閉そく区間における列車又は車両の有無を確認できる装置及び列車無線装置その他の当該閉そく区間に列車を進入させても支障がないことを指示することができる装置を使用して行わなければならない。
(指令式を施行する場合の指示)
第百二十九条
指令式を施行する閉そく区間に列車を進入させるときは、あらかじめ、運転整理担当者の指示を受けなければならない。
2 前項の指示は、その閉そく区間に列車又は車両がないことを確かめた後でなければ与えることができない。
第二款 指導通信式及び指導指令式
(指導通信式又は指導指令式を施行する場合)
第百三十条
指導通信式又は指導指令式は、複線区間で一線が不通となつたとき又は単線区間で常用閉そく方式(スタフ閉そく式を除く。)を施行することができないときに施行するものとする。
(指導通信式の条件)
第百三十一条
指導通信式による閉そくは、閉そく区間の両端の停車場において、一閉そく区間につき一人の指導者及び専用の電話機を選定して行わなければならない。
2 前項の停車場には、指導券を備えなければならない。
(指導者の定め方)
第百三十二条
前条第一項の指導者は、指導通信式を施行する閉そく区間の両端の停車場において打合せにより定めなければならない。この場合において、当該指導者の職種及び氏名は当該停車場において記録しておかなければならない。
2 指導者には、赤色の腕章を着けさせなければならない。
(指導券の記入事項及び再使用の禁止)
第百三十三条
指導券には、閉そく区間の両端の停車場名、発行の年月日及びこれを携帯させる列車の番号を記入しなければならない。
2 列車の運転に使用した指導券は、他の列車に使用してはならない。
(指導券を発行する場合)
第百三十四条
指導券は、指導者がいる停車場でなければ発行してはならない。
2 指導券を発行する場合は、同一の閉そく区間で同一方向に二以上の列車を引き続き運転するときに限るものとする。この場合において、先発する列車には指導券を携帯させ、最後の列車には指導者を同乗させるものとする。
(指導券の渡し方)
第百三十五条
指導券は、当該閉そく区間の指導者が列車を運転する者に直接渡さなければならない。
(指導者の同乗又は指導券の携帯)
第百三十七条
指導通信式を施行する閉そく区間にあつては、当該閉そく区間の指導者が同乗するか又は当該閉そく区間の指導券を携帯しなければ列車を運転してはならない。
(自動閉そく式又は車内信号閉そく式の併用)
第百三十七条
複線区間において一線が不通となり指導通信式を施行する場合には、複線運転の時と同一方向に運転する列車に対しては、自動閉そく式又は車内信号閉そく式を併用することができる。
(指導票を使用する場合)
第百三十八条
指導通信式を施行しようとする場合において、指導者を使用することが困難な区間のある線区については、あらかじめその区間を指定したときに限り、当該区間につき指導者の代わりに指導票を使用することができる。この場合において、指導票は、一閉そく区間について一個とし、隣接する閉そく区間の指導票は、その種類を異にしなければならない。
2 第百二十条の規定は、前項の規定により指導票を使用する場合の指導券の授受について準用する。
(準用)
第百三十九条
第百九条の規定は、指導通信式を施行する場合について準用する。
(指導指令式の条件)
第百四十条
指導指令式による閉そくは、一閉そく区間につき一人の指導者を選定し、かつ、閉そく区間における列車又は車両の有無を確認できる装置及び列車無線装置その他の当該閉そく区間に列車を進入させても支障がないことを指示することができる装置を使用して行わなければならない。
(指導者の定め方)
第百四十一条
前条の指導者は、運転整理担当者が定めなければならない。この場合において、当該運転整理担当者は、当該指導者の職種及び氏名を記録しなければならない。
(準用)
第百四十二条
第百二十九条、第百三十一条第二項、第百三十二条第二項及び第百三十三条から第百三十八条までの規定は、指導指令式を施行する場合について準用する。
第三款 指導式
(指導式を施行する場合)
第百四十三条
指導式は、同一方向に二以上の列車を引き続き運転することができない単線区間で常用閉そく方式59を施行することができないとき又は列車若しくは線路の故障により隣接する60停車場間を二以上の閉そく区間に分割したときにその各区間に対して施行するものとする。
(指導式の条件)
第百四十四条
指導式による閉そくは、一閉そく区間につき一人の指導者を選定して行わなければならない。
2 指導者には、赤色の腕章を着けさせなければならない。
(指導者の同乗)
第百四十五条
指導式を施行する閉そく区間にあつては、当該閉そく区間の指導者が同乗しなければ列車を運転してはならない。
(準用)
第百四十六条
第百三十八条第一項の規定は、指導式を施行する場合61について準用する。
第四節 閉そく準用法
第一款 隔時法及び特殊隔時法
(隔時法又は特殊隔時法を施行する場合)
第百四十七条
隔時法又は特殊隔時法は、複線区間で通信の途絶その他特別の事由により自動閉そく式、車内信号閉そく式、通信式又は指令式を施行することができないときに施行するものとする。
(隔時法の条件)
第百四十八条
隔時法は、列車が停車場を出発した後、当該列車が次に停車すべき停車場までの区間の所定の運転時分の二倍を経過した後(当該運転時分の二倍が五分以内であるときは、五分を経過した後)に、同一方向に次の列車を出発させて行わなければならない。
2 隔時法を施行するときは、最初に運転する列車を出発させる前に当該区間に列車又は車両がないことを確認しなければならない。
(特殊隔時法の条件)
第百四十九条
特殊隔時法は、列車が停車場を出発した後二分を経過した後に、同一方向に次の列車を出発させて行わなければならない。
2 前条第二項の規定は、特殊隔時法を施行する場合について準用する。
第二款 票券隔時法
(票券隔時法を施行する場合)
第百五十条
票券隔時法は、単線区間で通信が途絶したため票券閉そく式を施行することができないときに施行するものとする。
(票券隔時法の条件)
第百五十一条
票券隔時法は、列車が停車場を出発した後、当該列車が次に停車すべき停車場までの区間の所定の運転時分の二倍を経過した後(当該運転時分の二倍が五分以内であるときは、五分を経過した後)に、同一方向に次の列車を出発させ、かつ、当該区間につき一個の通票を使用して行わなければならない。
(準用)
第百五十二条
第百十七条第二項から第四項まで、第百十八条から第百二十一条まで及び第百四十八条第二項の規定は、票券隔時法を施行する場合について準用する。
第三款 指導隔時法及び特殊指導隔時法
(指導隔時法又は特殊指導隔時法を施行する場合)
第百五十三条
指導隔時法又は特殊指導隔時法は、一線が不通になつた複線区間又は単線区間で通信の途絶その他特別の事由により自動閉そく式、車内信号閉そく式、特殊自動閉そく式、連動閉そく式、連査閉そく式、タブレット閉そく式、指導通信式又は指導指令式を施行することができないときに施行するものとする。
(指導隔時法の条件)
第百五十四条
指導隔時法は、列車が停車場を出発した後、当該列車が次に停車すべき停車場までの区間の所定の運転時分の二倍を経過した後(当該運転時分の二倍が五分以内であるときは、五分を経過した後)に、同一方向に次の列車を出発させ、かつ、当該区間につき一人の指導者を選定して行わなければならない。
(準用)
第百五十五条
第百三十一条第二項、第百三十二条から第百三十八条まで及び第百四十八条第二項の規定は、指導隔時法を施行する場合について準用する。
(特殊指導隔時法の条件)
第百五十六条
特殊指導隔時法は、列車が停車場を出発した後二分を経過した後に、同一方向に次の列車を出発させ、かつ、当該列車が次に停車すべき停車場までの区間につき一人の指導者を選定して行わなければならない。
第四款 伝令法
(伝令法を施行する場合)
第百五十八条
伝令法は、列車又は車両がある閉そく区間に更に他の列車を運転させるときにその列車に対して施行するものとする。
(列車がある閉そく区間の伝令法)
第百五十九条
列車がある閉そく区間に伝令法を施行する場合は、列車から救援を求められるか、列車が救援を要することを確認するか又は工事列車が停止している区間に更に他の工事列車を運転することを予定しているときでなければならない。
2 前項の場合において救援される列車又は先行の列車は、その停止した位置を移動してはならない。
(伝令法の条件)
第百六十条
伝令法の施行は、伝令法を施行する区間につき一人の伝令者を選定して行わなければならない。
2 伝令者には、白色の腕章を着けさせなければならない。
(伝令者の定め方)
第百六十一条
前条第一項の伝令者は、伝令法を施行する区間の両端の停車場において打合せにより定めるか又は運転整理担当者が定めなければならない。この場合において、当該伝令者の職種及び氏名は、当該停車場において記録するか又は当該運転整理担当者が記録しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、スタフ閉そく式若しくは指導式を施行しているとき又は通信の途絶により隔時法、特殊隔時法、票券隔時法、指導隔時法若しくは特殊指導隔時法を施行しているときは、伝令法を施行しようとする停車場において伝令者を定めることができる。
(伝令者の同乗)
第百六十二条
伝令法を施行するときは、伝令者が同乗しなければ列車を運転してはならない。
(他の列車の運転)
第百六十三条
伝令法により列車を出発させたときは、その伝令者が停車場に到着したことを確認した後でなければその区間に他の列車を進入させてはならない。
(準用)
第百六十三条の二
第百三十八条第一項の規定は、伝令法を施行する場合について準用する。この場合において、同行中「指導者」とあるのは「伝令者」と、「指導票」とあるのは「伝令票」と読み替えるものとする。62
第六章 鉄道信号
第一節 総則
(鉄道信号と運転の関係)
第百六十四条
列車又は車両は、鉄道信号が現示又は表示する条件に従つて運転しなければならない。
(鉄道信号の種類)
第百六十五条
鉄道信号の種類は、次のとおりとする。
一 信号 形、色、音等により列車又は車両に対して、一定の区間内を運転するときの条件を現示するもの。
二 合図 形、色、音等により係員相互間でその相手に対して合図者の意思を表示するもの
三 標識 形、色等により物の位置、方向、条件等を表示するもの
(現示の方式等の昼夜別)
第百六十六条
昼間と夜間とで現示又は表示の方式を異にする鉄道信号は、日出から日没までは昼間の方式により、日没から日出までは夜間の方式によらなければならない。
2 トンネル、雪覆い等により、昼間の方式による現示又は表示を識別することが困難であるときは、前項の鉄道信号は、日出から日没までであつても夜間の方式によらなければならない。ただし、自動閉そく式若しくは車内信号閉そく式を施行する区間(出発信号機又は出発標識が設けられた停車場間が一閉そく区間である区間を除く。)又は閉そく準用法を施行する区間以外の区間であつて一キロメートル以下のトンネル内、雪覆い内等においては、列車標識は、昼間の方式によることができる。
(天候による現示方式等の変更)
第百六十七条
昼間であつても天候の状態その他の事由により鉄道信号の夜間の方式による現示又は表示が、昼間の方式による現示又は表示より明確に識別できるときは、夜間の方式によらなければならない。
2 天候の状態その他の事由により鉄道信号の現示又は表示が正常の状態より識別し難くなつたときの運転方法は、これを定めなければならない。
第二節 信号
第一款 通則
(停止信号の現示)
第百六十八条
列車又は車両は、停止信号の現示があるときはその現示箇所の外方又はこれの現示する信号機の防護区域の外方に停止しなければならない。ただし、信号の現示箇所又は信号機の防護区域の始端までに停止することができない距離で停止信号の現示があつたときは、速やかに停止しなければならない。
2 車内信号機を使用して運転する列車又は車両63は、車内停止信号が現示されたときは速やかに停止しなければならない。
3 前二項の規定により停止した列車又は車両は、進行を指示する信号の現示又は進行の指示があるまで進行してはならない。
(閉そく信号機の停止信号等の現示)
第百六十九条
列車は、自動閉そく式を施行する区間で、閉そく信号機の停止信号により停止し、一分を経過したときは、前条第三項の規定にかかわらず、停止信号の現示箇所を越えて進行することができる。
2 列車は、車内信号閉そく式を施行する区間で、車内停止信号(場内標識又は出発標識が設けられた信号表示区間の信号を除く。)に停止し、一分を経過したときは、前条第三項の規定にかかわらず、車内停止信号の現示されている区間を進行することができる。
(停止中継信号の現示)
第百七十条
列車は、停止中継信号の現示があるときは、確認距離の短い主体の信号機に停止信号の現示があることを予期して進行しなければならない。
(警戒信号の現示)
第百七十一条
列車は、警戒信号の現示があるときは、次の信号機に停止信号の現示又は停止位置があること及び過走余裕距離が短いことを予期して進行しなければならない。
(注意信号の現示)
第百七十二条
列車又は車両は、注意信号の現示があるときは、次の信号機に停止信号若しくは警戒信号の現示があることを予期して進行しなければならない。
(減速信号の現示)
第百七十三条
列車は、減速信号の現示があるときは、次の信号機に警戒信号又は注意信号の現示があることを予期して進行しなければならない。
(制限中継信号の現示)
第百七十四条
列車は、制限中継信号の現示があるときは、確認距離が短い主体の信号機に警戒信号、注意信号又は減速信号の現示があることを予期して進行しなければならない。
(進行信号の現示)
第百七十五条
列車又は車両は、進行信号の現示があるときは、その現示箇所を越えて進行することができる。
2 車内信号機を使用して運転する列車又は車両64は、車内進行信号の現示があるときは、信号の現示する速度以下の速度で進行することができる。
(進行中継信号の現示)
第百七十六条
列車は、進行中継信号の現示があるときは、確認距離が短い主体の信号機に進行信号の現示があることを予期して進行しなければならない。
(自動停止区間等65の信号機の信号の現示)
第百七十七条
列車は、三位式信号機により自動閉そく式を施行し、かつ、自動列車停止装置又は自動列車制御装置を有する区間(以下「自動停止区間」という。)にある場内信号機、出発信号機及び閉そく信号機の信号の現示については、第百七十一条から第百七十三条までの規定によらないことができる。
2 車両は、三位式の入換信号機によつて入換えを行う区間にある入換信号機の信号の現示については、自動列車停止装置又は自動列車制御装置を使用する場合には、第百七十二条の規定によらないことができる。66
(誘導信号の現示)
第百七十八条
列車又は車両は、誘導信号の現示があるときは、進路に列車又は車両があることを予期して進行しなければならない。
(徐行信号の現示)
第百七十九条
列車又は車両は、徐行信号の現示があるときは、指定の速度以下の速度で進行しなければならない。
(徐行予告信号の現示)
第百八十条
列車又は車両は、徐行予告信号の現示があるときは、次に徐行信号の現示があることを予期して進行しなければならない。
(徐行解除信号の現示)
第百八十一条
列車又は車両は、徐行解除信号の現示があるときは、その現示箇所を越えた後に徐行を解除することができる。
(信号の確認距離等)
第百八十二条
主信号機(停止中の列車又は車両に対して現示するものを除く。)により現示する信号は、当該信号機に接近する列車又は車両がその現示する信号に従つて減速し、又は停止することができる距離で確認することができるものでなければならない。
2 前項の規定に依ることができないときは、従属信号機により信号を現示しなければならない。この場合には、従属信号機により現示する信号を確認することができる距離に当該信号機から主体の信号機までの距離を加えたものは、主体の信号機に接近する列車がその現示する信号に従つて減速し、又は停止することができる距離以上でなければならない。
3 車内信号機は、その現示する信号に従つて列車又は車両67を減速し、又は停止しなければならない地点までに列車又は車両68が減速し、又は停止することができる距離以上の地点から減速又は停止を指示する信号を現示するものでなければならない。
(信号現示の不正確)
第百八十三条
信号を現示すべき所定の位置に信号の現示がないとき又はその現示が正確でないときは、列車又は車両の運転に最大の制限を与える信号の現示があるものと見なさなければならない。
(信号の兼用禁止)
第百八十四条
信号は、二以上の線路又は二種以上の目的に兼用してはならない。ただし、遠方信号機、中継信号機、進路表示機を付設した信号機又は車内信号機の信号は、この限りではない。
第二款 常置信号機
(常置信号機の種類)
第百八十五条
常置信号機は、一定の場所に常置して信号を現示する信号機であつて次に掲げるものとする。
一 主信号機
二 従属信号機
三 信号附属機
(主信号機の種類)
第百八十六条
主信号機の種類は、次のとおりとする。
一 場内信号機 停車場に進入する列車に対し信号を現示するもの
二 出発信号機 停車場から進出する列車に対し信号を現示するもの
三 閉そく信号機 閉そく区間に進入する列車に対し信号を現示するもの
四 誘導信号機 場内信号機又は入換信号機に進行を指示する信号を現示してはならないときにおいて、誘導を受けて停車場に進入する列車又は車両に対し信号を現示するもの
五 入換信号機 入換運転をする車両に対し信号を現示するもの
(従属信号機の種類)
第百八十七条
従属信号機の種類は、次のとおりとする。
一 遠方信号機 場内信号機に従属し、列車に対して主体の信号機が現示する信号を予告する信号を現示するもの
二 通過信号機 出発信号機に従属し、停車場に進入する列車に対して主体の信号機が現示する信号を予告する信号を現示して停車場を通過することの可否を示すもの
三 中継信号機 場内信号機、出発信号機又は閉そく信号機に従属し、列車に対して主体の信号機が現示する信号を中継する信号を現示するもの
(信号附属機の種類)
第百八十八条
信号附属機の種類は、次のとおりである。
一 進路表示機 場内信号機、出発信号機、誘導信号機又は入換信号機の信号をその内方において二以上に分岐する線路に共用するときに、その信号機に附属して列車又は車両の進路を現示するもの
二 進路予告機 場内信号機、出発信号機、閉そく信号機、遠方信号機又は中継信号機に附属して、次の場内信号機又は出発信号機が指示する列車の進路を予告するもの
(主信号機の信号現示)
第百八十九条
主信号機による信号の種類及び現示の種類は、次の表のとおりとする。
一 場内信号機、出発信号機及び閉そく信号機
信号の種類 | 停止信号 | 警戒信号 | 注意信号 | 減速信号 | 進行信号 | |||
現示の 種類 |
三位式 | 色灯式 | 赤色灯 | 上位橙黄色灯 下位橙黄色灯 |
橙黄色灯 | 上位橙黄色灯 下位緑色灯 |
緑色灯 | |
二位式 | 色灯式 | 赤色灯 | 上位橙黄色灯 下位橙黄色灯 |
緑色灯 | ||||
腕木式 | 昼間 | 腕水平 | 腕左下向 四十五度 |
|||||
夜間 | 赤色灯 | 緑色灯 |
二 誘導信号機
誘導信号 | ||
誘導信号 | 色灯式 | 橙黄色灯 |
灯列式 | 白色灯列左下向四十五度 |
三 入換信号機
信号の種類 | 停止信号 | 注意信号 | 進行信号 | ||
現示の方式 | 三位式 | 色灯式 | 赤色灯 | 橙黄色灯 | 緑色灯 |
灯列式 | 白色灯列水平 | 白色灯列 左下向四十五度 |
白色灯列垂直 | ||
二位式 | 色灯式 | 赤色灯 | 緑色灯 | ||
灯列式 | 白色灯列水平 | 白色灯列 左下向四十五度 |
(従属信号機の信号現示)
第百九十条
従属信号機による信号の種類及び現示の方式は、次の表のとおりとする。
一 遠方信号機
信号の種類 | 主体の信号機が 停止信号を現示するとき。 |
主体の信号機が 警戒信号または 注意信号を現示するとき。 |
主体の信号機が 進行信号を現示する時 |
|||
注意信号 | 減速信号 | 進行信号 | ||||
現示の方式 | 主体の信号機が 三位式であるとき。 |
橙黄色灯 | 上位橙黄色灯 下位緑色灯 |
緑色灯 | ||
主体の信号機が 二位式であるとき。 |
色灯式 | 橙黄色灯 | 上位橙黄色灯 下位緑色灯 |
緑色灯 | ||
腕木式 | 昼間 | 腕水平 | 腕左下向四十五度 | |||
夜間 | 橙黄色灯 | 緑色灯 |
二 通過信号機
信号の種類 | 主体の信号機が 停止信号を現示するとき。 |
主体の信号機が 進行信号を現示するとき。 |
|||
注意信号 | 進行信号 | ||||
現示の方式 | 主体の信号機が 二位式であるとき。 |
色灯式 | 橙黄色灯 | 緑色灯 | |
腕木式 | 昼間 | 腕水平 | 腕左下向四十五度 | ||
夜間 | 橙黄色灯 | 緑色灯 |
三 中継信号機
信号の種類 | 主体の信号機が 停止信号を現示 するとき。 |
主体の信号機が 警戒信号を現示 するとき。 |
主体の信号機が 注意信号を現示 するとき。 |
主体の信号機が 減速信号を現示 するとき。 |
主体の信号機が 進行信号を現示 するとき。 |
|
停止中継信号 | 制限中継信号 | 進行中継信号 | ||||
現示の方式 | 灯列式 | 赤色灯 | 上位橙黄色灯 下位橙黄色灯 |
橙黄色灯 | 上位橙黄色灯 下位緑色灯 |
緑色灯 |
色灯式 | 白色灯列水平 | 白色灯列左下向四十五度 | 白色灯列垂直 |
(手信号及び従属信号機の腕)
第百九十一条
主信号機及び従属信号機の腕は、長方形としなければならない。ただし、遠方信号機の腕の腕端は矢はず形とし、通過信号機の腕端はばち形としなければならない。
2 主信号機の腕の表面は赤色とし、腕端に近くこれに並行して白色線一条を画さなければならない。
3 従属信号機の腕の表面は黄色とし、腕端に近くこれに並行して黒色線一条を画さなければならない。
4 主信号機及び従属信号機の腕の背面は白色とし、腕端に近くこれに並行して黒色線一条を画さなければならない。
(信号附属機の現示の方式)
第百九十二条
信号附属機は、その現示の方式を定めて用いなければならない。
(同一箇所の信号の配列)
第百九十三条
同一箇所で同一種類の常置信号機を二機以上使用して信号を現示するとき(次項に規定する場合を除く。)は、最も左側にあるものは最も左側の線路に対するものとし、順次右方の線路に対するものとしなければならない。この場合において、最も主要な線路に対する信号機は、他の信号機より上位に置かなければならない。
2 同一箇所で同一種類の常置信号機を二機以上垂直に並べて現示するときは、最も上位にあるものは最も左側の線路に対するものとし、順次右方の線路に対するものとしなければならない。
3 二機以上の色灯式信号機(通過信号機を除く。)により現示する信号は、これを垂直に並べてはならない。
4 場内信号機と通過信号機により現示する信号は、これを垂直に並べなければならない。
(常置信号機の信号現示の定位)
第百九十四条
常置信号機の信号現示の定位は、次の表のとおりとする。
種類 | 場内信号機、出発信号機 (自動閉そく式又は特殊自動閉そく式 を施行する区間のものを除く。) |
誘導信号機 | 入換信号機 (自動のものを除く。) |
遠方信号機、通過信号機 (自動閉そく式又は特殊自動閉そく式 を施行する区間のものを除く。) |
定位 | 停止信号の現示 | 無現示 | 停止信号の現示 | 注意信号の現示 |
2 自動閉そく式又は特殊自動閉そく式を施行する区間の場内信号機、出発信号機、遠方信号機及び通過信号機は、その信号現示の定位を定めてこれを用いなければならない。
(信号附属機の現示の定位)
第百九十五条
信号附属機の現示の定位は、次の表のとおりとする。
一 進路表示機
種類 | 当該進路表示機が附属している信号機が、 進行を指示する信号の現示を定位とするとき。 |
当該進路表示機が附属している信号機が、 停止信号の現示を定位とするとき。 |
定位 | 開通している進路に対する現示 | 無現示 |
二 進路予告機
種類 | 当該進路予告機が附属している信号機の 次の場内信号機又は出発信号機が、 進行を指示する信号の現示を定位とするとき。 |
当該進路予告機が附属している信号機の 次の場内信号機又は出発信号機が、 停止信号の現示を定位とするとき。 |
定位 | 開通している進路に対する現示 | 無現示 |
(三位式信号機の信号現示の時機)
第百九十六条
三位式信号機の取扱いに当たつては、次に掲げるところによらなければならない。
一 当該信号機の内方の信号機に警戒信号、注意信号又は減速信号を現示する以前に進行信号を現示しないこと。
二 当該信号機の内方の信号機に警戒信号又は注意信号を現示する以前に減速信号を現示しないこと。
2 自動停止区間にある信号機の取扱いに当たつては、前項(第二号に係る部分に限る。)の規定によらないことができる。
(出発信号機の進行信号の現示の時機)
第百九十七条
出発信号機(自動閉そく式及び特殊自動閉そく式を施行する区間のものを除く。)の取扱いに当たつては、その区間に対して閉そくを行つた後でなければ進行信号を現示してはならない。ただし、隔時法、特殊隔時法、票券隔時法、指導隔時法又は特殊指導隔時法を施行する場合は、所定の時分を経過したときに進行信号を現示することができる。
(誘導信号機の信号現示の時機)
第百九十八条
誘導信号機の取扱いに当たつては、誘導すべき列車又は車両が場内信号機又は入換信号機の外方に一時停止した後でなければ誘導信号を現示してはならない。ただし、列車又は車両が停止した後に誘導信号を現示したと同程度の安全を確保することができる装置を設けて誘導信号を現示するときは、この限りではない。
(従属信号機の信号現示の時機)
第百九十九条
遠方信号機の取扱いに当たつては、その主体の信号機に進行現示を現示する以前に進行信号を、主体の信号機に警戒信号又は注意信号を現示する以前に減速信号を現示してはならない。
2 通過信号機の取扱いに当たつては、その主体の信号機及び通過信号機と同一柱又は同一地点に設けてある場内信号機に進行信号を現示する以前に進行信号を現示してはならない。
3 中継信号機の取扱いに当たつては、その主体の信号機に進行信号を現示する以前に進行中継信号を、主体の信号機に警戒信号、注意信号又は減速信号を現示する以前に制限中継信号を現示してはならない。
(信号附属機の現示の時機)
第二百条
進路表示機の取扱いに当たつては、その附属している信号機に進行を指示する信号を現示する以前に進路の現示をしてはならない。
2 進路予告機の取扱いに当たつては、その附属している信号機及びその次の信号機が進行を指示する信号を現示する以前に進路の予告を現示してはならない。
(進行信号現示の条件)
第二百一条
列車又は車両の進路に支障があるときは、その区間を防護する信号機に進行を指示する信号を現示してはならない。
(警戒信号現示の条件)
第二百二条
警戒信号は、次に掲げる信号機に現示しなければならない。
一 列車が停車場に進入し、又は停車場から進出するに当たり、過走による相互支障を生ずるおそれのあるときの場内信号機、出発信号機又は閉そく信号機(第六十九条(第一号に係る部分を除く。)に規定する場合を除く。)
二 次の場内信号機に停止信号の現示があり、かつ、当該信号機の防護区域となる区域の最外方にある転てつ器又は列車の停止区域までの離隔距離の短いときの外方の信号機
2 前項各号に掲げるもののほか、警戒信号は、次に掲げる信号機に現示することができる。
一 停車場内で終端となる線路に進入するに当たり、過走を防止する必要があるときの最内方の場内信号機
二 停止信号を現示する信号機の外方の三位式信号機
(注意信号現示の条件)
第二百三条
注意信号は、次に掲げる信号機に現示しなければならない。
一 停車場内で終端となる線路の最内方の三位式信号機(警戒信号を現示する場合を除く。)
二 停止信号を現示する信号機に従属する遠方信号機及び通過信号機
2 前項各号に掲げるもののほか、注意信号は、停止信号又は警戒信号を現示する信号機の外方の三位式信号機に現示することができる。
(減速信号現示の条件)
第二百四条
減速信号は、警戒信号又は注意信号を現示する場内信号機に従属する遠方信号機に現示しなければならない。
2 前項に定めるもののほか、減速信号は、警戒信号又は注意信号を現示する信号機の外方の三位式信号機に現示することができる。
(自動停止区間等69の信号機の信号現示の条件)
第二百五条
自動停止区間の場内信号機、出発信号機又は閉そく信号機については、停止信号を現示する信号機の外方の信号機に警戒信号又は注意信号を現示する場合を除き、前三条の規定によらないことができる。
2 三位式の入換信号機によつて車両の入換えを行う区間にある入換信号機については、自動列車停止装置又は自動列車制御装置を使用する場合には、停止信号を現示する信号機の外方の信号機に注意信号を現示する場合を除き、第二百三条の規定によらないことができる。70
(進行を指示した場合の処置)
第二百六条
列車又は車両に対して進行を指示する信号が現示されているときは、その進路を支障してはならない。
(常置信号機の取扱者)
第二百七条
常置信号機の取扱者は、駅長とする。ただし、運輸長が駅長以外のものを指定したときは、その者に取り扱わせることができる。
第三款 車内信号機
(車内信号機)
第二百八条
2 車内信号機と場内信号機、出発信号機、閉そく信号機又は入換信号機73とは混用してはならない。
(車内信号機の信号現示)
第二百九条
車内信号機による信号の種類及び現示の方式は、次の表のとおりとする。
信号の種類 | 車内停止信号 | 車内進行信号 |
現示の方式 | 数字の0、停止を表す簡素な記号 若しくは文字を描いた灯又は赤色灯 |
速度を示す数字を描いた又はその色の種類に 応じて一定の速度を示す色灯(赤色灯を除く。) |
2 車内信号機は、信号の現示が変化したときは、運転室内において警音を発するものとしなければならない。
(準用)
第二百十条
第二百一条、第二百六条及び第二百七条の規定は、車内信号機を使用する場合について準用する。
第四款 臨時信号機
(臨時信号機)
第二百十一条
臨時信号機は、線路の故障その他の事由により列車又は車両が所定の速度で運転することができないときに臨時に設けて信号を現示するものとする。
(臨時信号機の種類)
第二百十二条
臨時信号機の種類は、次のとおりとする。
一 徐行信号機 徐行運転を必要とする区域に進入する列車又は車両に対して徐行信号を現示するもの
二 徐行予告信号機 徐行信号機に従属し、列車又は車両に対して徐行予告信号を現示するもの
三 徐行解除信号機 徐行運転を必要とする区域から進出する列車又は車両に対して徐行解除信号を現示するもの
(臨時信号機の現示の方式)
第二百十三条
臨時信号機は、形状、塗色その他の現示の方式を定めなければならない。
(臨時信号機の現示)
第二百十四条
臨時信号機により列車又は車両を減速させるときは、その旨を関係係員に知らせた後、徐行運転を必要とする区域の始端に臨時信号機を設けて徐行信号を現示し、必要に応じ、その外方の相当の距離を隔てた地点に徐行予告信号機を設けて徐行予告信号を現示しなければならない。この場合において、徐行運転を必要とする区域の終端には、徐行解除信号機を設けて徐行解除信号を現示しなければならない。
(徐行速度の指定)
第二百十五条
徐行信号機により列車又は車両を徐行させるときは、その速度を指定しなければならない。
第五款 手信号
(手信号)
第二百十六条
手信号は、信号機を使用することはできないとき又はこれを設けていないときに旗又は灯により信号を現示するものとする
(手信号の種類)
第二百十七条
手信号の種類は、次のとおりとする。
一 代用手信号 場内信号機、出発信号機又は車内信号機(停車場に進入し、又は停車場から進出する列車に対するものに限る。)を使用することができないときにその代わりに使用するもの
二 通過手信号 通過信号機を使用することができないときに停車場を通過する列車に対して使用するもの
三 臨時手信号 前二号に掲げる場合のほか特にて信号を現示する必要があるときに使用するもの
(手信号の現示)
第二百十八条
手信号による信号の種類及び現示の方式は、次の表のとおりとする。
一 代用手信号
信号の種類 | 停止信号 | 進行信号 | |
現示の方式 | 昼間 | 赤色旗 | 緑色旗 |
夜間 | 赤色灯 | 緑色灯 |
二 通過手信号
信号の種類 | 進行信号 | |
現示の方式 | 昼間 | 緑色旗 |
夜間 | 緑色灯 |
三 臨時手信号
信号の種類 | 停止信号 | 徐行信号 | 進行信号 | |
現示の方式 | 昼間 | 赤色旗又は赤色灯。ただし、赤色旗 及び赤色灯がないときは、両腕を高く挙げる か又は緑色旗以外の物を急激に振る。 |
赤色旗又は緑色旗を絞つて手に 持つたまま頭上に高く交差する。 ただし、旗がないときは、両腕を左右に伸ばした 後、緩やかに上下に動かす。 |
緑色旗又は緑色灯。ただし、緑色旗及び緑色灯が ないときは、片腕を高く挙げる。 |
夜間 | 赤色灯。ただし、赤色灯がないときは、 緑色灯以外の灯を急激に振る。 |
明滅する緑色灯 | 緑色灯 |
2 手信号に使用する旗及び灯は、四百メートル以上の距離で確認することができるものでなければならない。
3 手信号により徐行信号及び進行信号を現示するときは、その旨を関係係員に知らせた後でなければならない。
(代用手信号を用いる場合)
第二百十九条
場内信号機若しくは出発信号機を使用することはできないとき又は車内信号機を使用することができない場合であつて列車が停車場に進入し、若しくは停車場から進出するときは、代用手信号を現示しなければならない。ただし、自動閉そく式、車内信号閉そく式、特殊自動閉そく式、連動閉そく式若しくは連査閉そく式以外の閉そく方式又は閉そく準用法を施行する場合の出発信号機について、防護区間にある転てつ器が転てつ器標識を設けた背向のものであるとき又は発条転てつ器であるときは、この限りではない。
(通過手信号を用いる場合)
第二百二十条
通過信号機を使用できない場合に停車場において列車を通過させるときは、場内信号機の内方で通過手信号による進行信号を現示しなければならない。
(手信号代用機の現示)
第二百二十一条
手信号は、次の現示の方式による手信号代用機をもつて代えることができる。
信号の種類 | 停止信号 | 徐行信号 | 進行信号 |
現示の方式 | 赤色灯 | 明滅する緑色灯 | 緑色灯 |
第六款 特殊信号
(特殊信号)
第二百二十二条
特殊信号は、予期しない箇所で特に列車を停止させる必要が生じたとき又は天候の状態その他の事由により信号の現示を識別することができないときに音、炎又は灯により信号を現示するものとする。
(特殊信号の種類)
第二百二十三条
特殊信号の種類は、次のとおりとする。
一 発雷信号 爆音により列車を停止させるもの
二 発炎信号 火炎により列車を停止させるもの
三 発光信号 灯火により列車を停止させるもの
四 発報信号 警音により列車を停止させるもの
(特殊信号の現示)
第二百二十四条
特殊信号による信号の種類及び現示の方式は、次の表のとおりとする。
停止信号 | 信号の種類 | |
現示の方式 | 発雷信号 | 信号雷管の爆音 |
発炎信号 | 信号炎管の赤色火炎 | |
発光信号 | 明滅する赤色灯 | |
発報信号 | 無線通信による警音 |
2 前項の赤色火炎、赤色灯及び警音は、支障箇所までに停止することができる距離で確認することができるものでなければならない。
3 第一項の爆音は、列車の騒音により妨げられないものでなければならない。
第七款 故障時等の信号現示等
(故障時等の信号現示等)
第二百二十五条
故障その他の理由により、列車を停止させる必要が生じたときは、支障箇所の外方の適当な距離を隔てた地点において、次のいずれかの措置を講じなければならない。
一 主信号機に停止信号を現示すること。
二 車内信号機に車内停止信号を現示すること。
三 臨時手信号又は発炎信号、発光信号若しくは発報信号により停止信号を現示し、必要に応じて外方の適当な距離を隔てた地点に信号雷管を装置すること。
第三節 合図
(出発合図)
第二百二十六条
列車を出発させるときは、これに対して出発合図を行わなければならない。ただし、セクの状況、列車の運行状況等により列車の運転に支障がないと認められる場合は、この限りではない。
2 列車が運転の途中で停止して再び運転を開始するときは、必要に応じて、出発合図を行わなければならない。
(出発合図の方式)
第二百二十七条
出発合図の方式は、次の表のとおりとする。
合図の方式 | 昼間 | 片腕を高く挙げるか又は 緑色旗を高く挙げて左右に動かす。 |
夜間 | 緑色灯を高く挙げて円形に動かす。 |
2 出発合図を行うときは、必要に応じて同時に手笛を吹鳴しなければならない。
3 出発合図は、夜間の方式によらなければならない場合であつても昼間の表示が識別できるときにおいては、昼間の方式によることができる。
(出発合図装置)
第二百二十八条
出発合図の代わりに特別の合図装置を使用するときは、その方式を定めなければならない。
(気笛合図)
第二百二十九条
列車又は車両は、次に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定める方式により気笛合図を行わなければならない。
一 危険を警告するとき 短急気笛数声
二 注意を促す必要があるとき 適度気笛一声
三 接近を知らせる必要があるとき 長緩気笛一声
四 非常事故が生じたとき 短急気笛数声長緩気笛一声
(入換合図)
第二百三十条
車両の入換えをするときに行う入換合図は、その種類方式を定めなければならない。この場合において、次の表に掲げる種類の合図にあつては、同表のとおりとする。
合図の種類 | 合図者の方へ接近することを指示する場合 | 合図者から離れることを指示する場合 | 減速することを指示する合図 | わずかに進行又は退行することを指示する合図 | 停止することを指示する合図 | |
合図の方式 | 昼間 | 緑色旗を左右に動かす。 ただし、緑色旗のないときは、 片腕を左右に動かす。 |
緑色旗を上下に動かす。 ただし、緑色旗がないときは、 片腕を上下に動かす。 |
上下又は左右に動かしている 緑色旗を大きく上下に一回動かす。 |
赤色灯を絞つて片手に持ったまま これを頭上に動かしつ、合図者の方へ 接近することを指示する合図又は 相図者から離れることを指示する 合図をする。 |
赤色旗を表示する。 ただし、赤色 旗がないときは、 両腕を高く挙げ る。 |
夜間 | 緑色灯を左右に動かす。 | 緑色灯を上下に動かす。 | 上下又は左右に動かしている緑色灯を 大きく上下に一回動かす。 |
赤色灯を上下に動かした後、 合図者の方へ接近することを指示する 合図又は合図者から離れることを 指示する合図をする。 |
赤色灯を表示する。 |
2 前項の方式は、その使用方法を定めた特別の合図装置を使用することをもつて代えることができる。
(その他の合図)
第二百三十一条
出発合図、気笛合図及び入換合図以外の合図を行うときは、その方式を定めなければならない。
第四節 標識
(列車標識)
第二百三十二条
列車には、列車標識を掲げなければならない。
(列車標識の表示)
第二百三十三条
列車標識の種類及び表示の方式は、次の表のとおりとする。
標識の種類 | 前部標識 | 前部標識74 | 後部標識 | |
表示の方式 | 昼間 | 標識を掲げない。 | 列車の最前部の車両の前面に白色灯一個以上 (昼間にあつては、標識を掲げないことができる。) |
貫通ブレーキを使用しない列車の最後部の 車両の後面に赤色灯又は赤色円板を一個以上 |
夜間 | 列車の最前部の車両の前面に白色灯一個以上 | 列車の最後部の車両の後面に赤色灯又は 赤色反射板(後続列車の前部標識の灯光に より標識の表示を認識することができるものに限る。)一個以上。 ただし、自動閉そく式又は車内信号閉そく式 を施行する区間(出発信号機又は出発標識が 設けられた停車場間が一閉そく区間である 区間を除く。)では二個以上とする。 |
2 列車が退行運転する場合における列車の標識については、当該列車が退行運転をする前に表示していたとおりとする。この場合において、夜間退行のため最前部となる車両の前面に前部標識を掲げることができるときは、後部標識のほかに前部標識を掲げなければならない。
(入換動力車標識)
第二百三十四条
入換えに使用する動力車には、入換動力車標識を掲げなければならない。ただし、列車標識を掲げるときは、この限りではない。
(入換動力車標識の表示)
第二百三十五条
入換動力車標識の表示の方式は、次の表のとおりとする。
表示の方式 | 昼間 | 標識を掲げない。 |
夜間 | 前部及び後面に赤色灯各一個以上 |
第二百三十五条75
入換動力車標識の表示の方式は、前面及び後方に赤色灯各一個以上を掲げることとする。ただし、昼間にあつては、標識を掲げないことができる。
(閉そく信号標識)
第二百三十六条
自動閉そく式を施行する区間における閉そく信号機には、閉そく信号標識を表示しなければならない。
2 閉そく信号標識は、その表示の方式を定めて用いなければならない。
(中継信号標識)
第二百三十七条
色灯式中継信号機には、表示灯一個により中継信号標識を表示しなければならない。
(場内標識等)
第二百三十八条
車内信号閉そく式を施行する区間の次の各号に掲げる箇所には、それぞれ当該各号に定める標識を設けなければならない。ただし転てつ器のない線路又は当該線路の転てつ器が常時鎖錠された線路にあつては、この限りではない。
一 停車場に列車を進入させる線路 場内標識
二 停車場から列車を進出させる線路 出発標識
2 前項の標識は、その表示の方式を定めて用いなければならない。
(入換標識)
第二百三十九条
入換運転を頻繁に行う線路には、必要に応じて入換標識を設けなければならない。
2 入換標識は、その表示の方式を定めて用いなければならない。
(転てつ器標識)
第二百四十条
普通転てつ器、発条転てつ器、脱線転てつ器、遷移転てつ器76及び脱線器には、必要に応じて転てつ器標識を設けなければならない。
(転てつ器標識の方式)
第二百四十一条
転てつ器標識の表示の方式は、次の表のとおりとする。
一 普通転てつ器標識
転てつ機の開通方向 | 転てつ器が定位にあるとき | 転てつ器が反位にあるとき | |
表示方式 | 昼間 | 前方及び後方に対し中央に白色線一条を横に画した群青色円板 | 前方及び後方に対し中央に黒色線一条を矢はずに画した黄色矢はず形板 |
夜間 | 前方及び後方に対し紫色灯 | 前方及び後方に対し黄色灯 |
二 発条転てつ器標識
転てつ機の開通方向 | 転てつ器が定位にあるとき | 転てつ器が反位にあるとき | |
表示方式 | 昼間 | 前方及び後方に対し中央に 白色線一条を横に及び白色S字画 した群青色円板 |
前方及び後方に対し 中央に黒色線一条を矢はずに画した 黄色矢はず形板 |
夜間 | 前方及び後方に対し紫色灯 | 前方及び後方に対し黄色灯 |
三 脱線転てつ器標識、遷移転てつ器及び脱線器標識
転てつ機の開通方向 | 転てつ器が定位にあるとき | 転てつ器が反位にあるとき | |
表示方式 | 昼間 | 前方及び後方に対し白色縁の 赤色長方形板。 ただし、後方に対して表示を必要と しないときは、その方向に対し 白色長方形板 |
前方及び後方に対し 中央に黒色線一条を矢はずに 画した黄色矢はず形板 |
夜間 | 前方及び後方に対し赤色灯。 ただし、後方に対して表示を必要と しないときは、その方向に対し白色 |
前方及び後方に対し黄色灯 |
(列車停止標識)
第二百四十二条
出発信号機を設けていない線路又は出発信号機を所定の位置に設けることができない線路で、列車を停止させる限界を表示する必要があるときは、列車停止標識を設けなければならない。
(列車停止標識の表示)
第二百四十三条
列車停止標識の表示の方式は、次の表のとおりとする。
表示の方式 | 昼間 | 黒色十字形を画した白色方形板 |
夜間 | 黒色十字形を画した 白色灯又は白色反射板 |
(車両停止標識)
第二百四十四条
車両を停止させる限界を表示する必要がある箇所には、車両停止標識を設けなければならない。
(車両停止標識の表示)
第二百四十五条
車両停止標識の表示の方式は、次の表のとおりとする。
表示の方式 | 昼間 | 白色十字形を画した黒色方形板 |
夜間 | 十字形白色灯又は 白色十字形を画した反射板 |
(車止標識)
第二百四十六条
本線、折返線、車両の入換えの頻繁な側線等における車止めには、必要に応じて車止標識を設けなければならない。
2 車止標識は、その表示の方式を定めて用いなければならない。
(架線終端標識)
第二百四十七条
電車線路の終端を表示する必要があるときは、架線終端標識を設けなければならない。
2 架線終端標識は、その表示の方式を定めて用いなければならない。
(その他の標識)
第二百四十八条
第二百三十二条から前条までに規定する標識以外の標識を必要とするときは、その表示の方式を定めて用いなければならない。
附則
(施行期日)
1 この省令は、昭和六十二年四月一日から施行する。
(地方鉄道運転規則等の廃止)
2 次に掲げる省令は、廃止する。
一 地方鉄道運転規則(昭和二十五年運輸省令第九十九号)
二 日本国有鉄道運転規則(昭和三十年運輸省令第五号)
(経過措置)
3 この省令の施行前に前項の規定による廃止前の地方鉄道運転規則(以下「旧地方鉄道規則」という。)第三条第一項の規定により届け出た細則及び前項の規定による廃止前の日本国有鉄道運転規則(以下「旧国鉄規則」という。)第四条第一項の規定により届け出た実施に関する規定は、第四条第一項の規定により届け出た細則とみなす。
4 この省令の施行前に旧地方鉄道規則第二条第一項ただし書の許可を受けた取扱い又は旧国鉄規則第二条第一項ただし書の承認を受けた取扱いであつてこの省令の規定に適合しないものについては、この省令の規定と異なる取扱いとすることについて第五条第一項の許可を受けたものとみなす。
5 この省令の施行の際現に存する貫通ブレーキを有しない車両についてこの省令の施行後最初に行う当該車両の改造の工事が終了するまでの間は、当該車両により組成する列車については、第五十五条の規定と異なる取扱いとすることについて第五条第一項の許可を受けたものとみなす。
6 この省令の施行の際現に列車の運行計画上四十五キロメートル毎時を越える速度で推進運転をしている列車については、この省令の施行の日から三月間は、第五条第一項の許可を受けないで、四十五キロメートル毎時を越える速度で推進運転をすることができる。
7 この省令の施行の際現に存する二以上の線路に兼用する信号機についてこの省令の施行後最初に行う当該信号機の改造の工事が終了するまでの間は、当該信号機により現示する信号については、第百八十四条の規定と異なる取扱いとすることについて第五条第一項の許可を受けたものとみなす。
附則(平成5年3月30日号外運輸省令第8号)抄
(施行期日)
第一条
この省令は、公布の日から施行する。
附則(平成6年3月30日号外運輸省令第14号)抄
(施行期日)
第一条
この省令は、平成六年四月一日から施行する。
附則(平成6年10月4日運輸省令第47号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則(平成9年1月16日運輸省令第1号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則(平成9年3月25日号外運輸省令第18号)抄
(施行期日)
第一条
この省令は、公布の日から施行する。
附則(平成11年3月30日号外運輸省令第14号)
この省令は、公布の日から施行する。
更新記録
平成30年(2018年)5月31日 | 公布時の目次を掲載。 |
平成30年(2018年)9月21日 | 公布時の第一条から第十九条までの条文を掲載 |
平成30年(2018年)9月23日 | 公布時の第二十条から第二十五条までの条文を掲載 |
平成30年(2018年)9月30日 | 公布時の第二十六条から第百条までの条文を掲載 |
平成30年(2018年)10月3日 | 公布時の第百一条から第百十一条までの条文を掲載 |
平成30年(2018年)10月4日 | 公布時の第百十二条から第百二十二条までの条文を掲載 |
平成30年(2018年)10月6日 | 公布時の第百二十三条から第百九十五条までの条文を掲載 |
平成30年(2018年)10月13日 | 公布時の第百九十六条から第二百四十一条までの条文を掲載 |
平成30年(2018年)10月21日 | 公布時の第二百四十二条から附則第七項までの条文を掲載 |
平成30年(2018年)10月22日 | 各改正の内容を反映。 |
令和元年(2019年)5月8日 | 表示エラーを修正 |
脚注
- 閉塞の「塞」は、制定当初当用漢字及び常用漢字に含まれていなかったため仮名書きとなっている。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「(第百五十八条〜第百六十三条)」を「第百五十八条〜第百六十三条の二」に更改。
- 平成12年11月29日号外運輸省令第33号第百七十四条により、「運輸大臣」から「国土交通大臣」に更改。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、本条全文を次の第三条に更改。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、「(細則の制定届出)」から「(細則の制定)」に更改。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、「鉄道事業者は、この省令の実施に関する細則を定めて、あらかじめ地方運輸局長に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」から「鉄道事業者は、この省令の実施に関する細則を定めなければならない。」に更改。
- 平成12年11月29日号外運輸省令第33号第百七十四条により、「運輸大臣」から「国土交通大臣」に更改。
- 平成12年11月29日号外運輸省令第33号第百七十四条により、「運輸大臣」から「国土交通大臣」に更改。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、「第三項において同じ。」の「第三項」を「第五条の二」に更改。
- 平成12年11月29日号外運輸省令第33号第百四十七条により、「第五条の二において同じ。」を削除。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、第三項「第一項の規定により許可を受けた事項を廃止したときは、遅滞なく、その期日を運輸大臣に届け出なければならない。ただし、前項の規定により期限を付された許可に係る事項については、この限りではない。」を削除。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、第五条の二(届出)「鉄道事業者は、第四条第一項の実施に関する細則を定め、又は変更しようとするときあつては、あらかじめ、当該細則又は変更しようとする事項を地方運輸局長に、第五条第一項の規定により許可を受けた事項を廃止したとき(同条第二項の規定により期限を付された許可に係る事項を廃止した時を除く。)にあつては、遅滞なく、その期日を運輸大臣に、それぞれ届け出なければならない。」を追加。
- 平成6年3月30日号外運輸省令第14号第三十三条により、「ときにあつて」から「とき」に更改。
- 平成6年3月30日号外運輸省令第14号第三十三条により、「、第五条第一項の規定により許可を受けた事項を廃止したとき(同条第二項の規定により期限を付された許可に係る事項を廃止した時を除く。)にあつては、遅滞なく、その期日を運輸大臣に、それぞれ」を削除。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、「第四条第一項又は前条第一項若しくは第三項」から「第五条第一項又は前条」に更改。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、「届出書又は申請書」から「申請書又は届出書」に更改。
- 但し、公布時の官報において当該文章は既に「申請書又は届出書」となっており、誤改正であると思われる(訂正公告未確認)。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、「前条第一項又は第三項」から「第五条第一項又は前条」に更改。
- 平成12年11月29日号外運輸省令第33号第百七十四条により、「又は前条」を削除。
- 平成12年11月29日号外運輸省令第33号第百七十四条により、「運輸大臣」から「国土交通大臣」に更改。
- 平成12年11月29日号外運輸省令第33号第百七十四条により、「又は届出書」を削除。
- 平成12年11月29日号外運輸省令第33号第百七十四条により、「それぞれ」を削除。
- 平成6年10月4日運輸省令第47号第四条により、追加。
- 平成6年10月4日運輸省令第47号第四条により、第二項から第三項に更改。
- 平成6年10月4日運輸省令第47号第四条により、「前項第二号」から「第一項第二号に更改。
- 平成9年1月16日運輸省令第1号により、削除。
- 平成9年1月16日運輸省令第1号により、第四号から第三号に更改。
- 平成9年1月16日運輸省令第1号により、「前三号」から「前二号」に更改。
- 平成9年1月16日運輸省令第1号により、第二号「懸垂式鉄道、跨座式鉄道及び案内軌条式鉄道の電車 二年」を削除。
- 平成9年1月16日運輸省令第1号により、第三号から第二号に更改。
- 平成9年1月16日運輸省令第1号により、第三号「懸垂式鉄道、跨座式鉄道及び案内軌条式鉄道の電車 三年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年)」を追加。
- 平成11年3月30日号外運輸省令第14号により、「前三号に掲げる車両以外の車両」から「内燃機関車及び内燃動車」に更改。
- 平成11年3月30日号外運輸省令第14号により、「三年(新製した車両(蓄電池機関車及び蓄電池電車を除く。以下同じ。)」の「(蓄電池機関車及び蓄電池電車を除く。以下同じ。)」を削除。
- 平成13年9月11日国土交通省令第126号により「三年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年)」から「四年」に更改。
- 平成9年1月16日運輸省令第1号により、「四十万キロメートル」から「六十万キロメートル」に更改。
- 平成11年3月30日号外運輸省令第14号により、「六十万キロメートル(内燃機関車及び内燃動車にあつては、二十五万キロメートル)を超えない期間のいずれか短い期間」から「二十五万キロメートル」に更改。
- 平成13年9月11日国土交通省令第126号により、「二十五万キロメートル」から「五十万キロメートル(予燃焼室式の内燃機関又は又はクラッチが乾式である変速機を有するものについては、二十五万キロメートル)」に更改。
- 平成11年3月30日号外運輸省令第14号により、追加。
- 平成11年3月30日号外運輸省令第14号により、「及び第五号」を追加。
- 平成9年1月16日運輸省令第1号により、「並びに懸垂式鉄道、跨座式鉄道及び案内軌条式鉄道の電車」を削除。
- 平成13年9月11日国土交通省令第126号により、「内燃機関車、内燃動車並びに」を削除。
- 平成11年3月30日号外運輸省令第14号により、「前三号に掲げる車両以外の車両」から「内燃機関車、内燃動車並びに懸垂式鉄道、跨座式鉄道及び案内軌条式鉄道の電車」に更改。
- 平成11年3月30日号外運輸省令第14号により、追加。
- 平成11年3月30日号外運輸省令第14号により、「に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号」を追加。
- 平成11年3月30日号外運輸省令第14号により、「及び第五号」を追加。
- これが俗に言われる「600m条項」である。完全立体交差やATS-P等の高性能保安装置を導入した場合には、特認により緩和された。2002年施行の鉄道に関する技術上の基準を定める省令では同様の条文は存在しないが、解釈基準では「新幹線以外の鉄道における非常制動による列車の制動距離は、600m以下を標準とすること。ただし、防護無線等迅速な列車防護の方法による場合は、その方法に応じた非常制動距離とすることができる。」とされている。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、「入換信号機若しくは誘導信号機又は入換合図によつて行わなければ」から「次のいずれかの方法によらなければ」に更改。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「入換信号機又は誘導信号機によつて行う方法」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「車内信号機によつて行う方法」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「入換合図によつて行う方法」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「無線装置を使用して行う方法」を追加。
- 平成6年10月4日運輸省令第47号第四条により、「継電連動装置」を「電子連動装置又は継電連動装置」に更改。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「(車内信号機による入換えを除く。)」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「車内信号機によつて入換えをする車両については、前条(ただし書を除く。)の規定を準用する。」を追加。
- ここでの「三位式」というのは「『進行・注意・停止』の3信号を現示できる」という意味ではなく、「二閉塞以上先の進路条件を含めて現示できる」という意味である。前者は正式には「三位式3現示信号機」となる。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「行き違いが可能な」から「出発信号機が設けられた」に更改。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「行き違いが可能な」から「出発信号機が設けられた」に更改。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「この場合において、第百二条第三項中「出発信号機」とあるのは「出発標識」と、「停止信号」とあるのは「車内停止信号」と、第百三条中「出発信号機」とあるのは「出発標識」と読み替えるものとする。」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「スタフ閉そく式」から「同一方向に二以上の列車を引き続き運転することができない単線区間で常用閉そく方式」に更改。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「行き違いが可能な」を削除。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「(スタフ閉そく式を施行することができないときに施行する場合を除く。)」を削除。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、第百六十三条の二(準用)「第百三十八条第一項の規定は、伝令法を施行する場合について準用する。この場合において、同行中「指導者」とあるのは「伝令者」と、「指導票」とあるのは「伝令票」と読み替えるものとする。」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「又は車両」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「又は車両」を追加。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、「自動停止区間」から「自動停止区間等」に更改。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、第二項「車両は、三位式の入換信号機によつて入換えを行う区間にある入換信号機の信号の現示については、自動列車停止装置又は自動列車制御装置を使用する場合には、第百七十二条の規定によらないことができる。」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「又は車両」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「又は車両」を追加。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、「自動停止区間」から「自動停止区間等」に更改。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、第二項「三位式の入換信号機によつて車両の入換えを行う区間にある入換信号機については、自動列車停止装置又は自動列車制御装置を使用する場合には、停止信号を現示する信号機の外方の信号機に注意信号を現示する場合を除き、第二百三条の規定によらないことができる。」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「又は閉そく区間に進入する列車」から「、閉そく区間に進入する列車又は入換運転をする車両」に更改。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「又は車両」を追加。
- 平成9年3月25日号外運輸省令第18号第六条により、「又は閉そく信号機」から「、閉そく信号機又は入換信号機」に更改。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、左列から本列に更改。
- 平成5年3月30日号外運輸省令第8号第六条により、上記第二百三十五条から更改。
- 乗越分岐器とも呼ばれる。
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