EH800形の北海道新幹線共用区間における保安装置の動作 – 「研究日誌」20180313
今回はEH800形の保安装置について
かつて津軽海峡線(青森〜[津軽線]〜中小国1〜[海峡線]〜木古内〜[江差線2]〜五稜郭〜[函館本線]〜函館)は、貨物列車や客車列車についてはED79形やEH500形が使用されてきた。
しかし北海道新幹線の開業と共に新中小国信号場〜木古内は電圧が従来の交流20kVから交流25kVに昇圧され、更に保安装置も従来使用されてきたATC-L型から東北新幹線と同じDS-ATCに変更されることになった。これに対応するために複電圧式交流用電気機関車としてEH800形が製作された。これに伴い、ED79形は全車廃車、EH500形は青森信号場以南へと活動の場を移した。
さてEH800形の運転台にはグラスコックピットが採用されたことは報道陣公開時の写真から判明していたが、実際に津軽海峡線内を走行する際の映像はなかった。
この度、朝日新聞社がYoutubeにその運転台からの動画をアップロードしていた。
この動画からいくつかわかることがあった。
①ATS表示器は共用区間でも動作?
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上は北海道側の木古内以北の区間と思われる。画像左にあるATS-PF・Ps統合型動作表示器が動作しているのがわかる。
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上の画像と比べると、ATSはSF形として動作しているようである。
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青函トンネルに入った後。
グラスコックピット上の速度計の外側に白い帯が表示されているが、これがDS-ATCの許容速度を示している。同じくグラスコックピットを採用するE233系では▼が速度計円周上に表示され照査パターンに合わせて動いたが、EH800形では帯状に表現するようである。
また先ほどの統合型動作表示器は下段のATS-PF電源灯は点灯している一方、ATS-Ps電源灯は消灯している。また木古内以北で点灯していたATS-SF表示灯も消灯している。対して上段の車両速度・照査速度メーター(黄色と橙色のバー)は点灯したままである。E531系ではATS-P区間ではATS-Ps表示器は完全消灯しているのとは対照的である。
これはおそらく、ATS-PFにある「列車速度設定スイッチ」による最高頭打ち照査速度を設定するためであると思われる。
②ATC信号現示変化時の動き
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0:53頃にATC信号現示が90から95に変化する。この際のチャイムはE5系よりも少し低いものになっている。
参考:E5系のATC信号現示変化時のチャイム音(1:13頃)
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