なぜ法令改正を追うのか – 「雑談」20190109

ゾンビランドサガ、終わっちゃった….

「みんなでおらぼう」、先行申し込みしました。当選しているといいなぁ。

当サイトでは、鉄道運転規則鉄道に関する技術上の基準を定める省令(技術基準省令)について各改正での変更点についても記載している。

なかなか頭の悪いことをしているとは思うのだが、なぜこんなことをしているのか、自分なりにまとめてみたいと思う。

(法律学はまだ学が浅いので、間違いが多々あるとは思いますがご容赦を。ニュアンスでつかんでいただけると嬉しいです。)


 

憲法・法律・政令・省令・庁令・規則、これら「法令」と総称されるものの改正には、概ね2つのパターンがある(という自分の認識)。一つは日本の法律などのように、既存の条文を改正法で書き換える「上書き型」。もう一つはアメリカ合衆国憲法のように、既存の条文は変更せずその後に「修正条項」として改正内容を加える「修正型」である。

「上書き型」は、主体となる法令の条文が常に最新のものであるため、「修正型」のように本文と修正条項を見比べる必要がないというメリットがある。その一方で、改正前の内容は上書きされて消されてしまうため、その当時の条文はどうだったかを知るためには過去の書籍を探さなければならない1デメリットがある。いつ改正されたかについては、法令文の最後に「附則」が残る2ため、日付の把握は比較的容易である。

「修正型」は、法令制定当初の条文がそのまま残り修正条項が後付けされるため、いつどのように改正されたかが把握しやすいメリットがある。一方で、「改正された結果どうなったか」「今現在はどうなのか」を把握するには原文と修正条項を見比べなければならないデメリットがある。


 

先にも述べた通り日本の法令は「上書き型」であるため、鉄道運転規則や技術基準省令も改正のたびに条文が書き換わっている。制定以後、発生したインシデントや事故を元に改正される(てきた)のだが、それまでどうだったのかがわからないのは後世(といっても十数年の話だが)の検証の師匠になるようで良いのかと思ったのだ。

そしてどちらかといえばこちらの理由の方が重要なのだが、過去に廃止された法令が閲覧できなくなる可能性を危惧したためでもある。

政省庁令以上の法令については総務省のe-Gov法令検索」でその全文を検索することができる。この法令検索システムは2017年6月26日に稼働を始めたもので、それ以前は「法令データ提供システム3」により行われていた。「e-Gov法令検索」システム稼働後も「法令データ提供システム」が並行稼働していたが、約4ヶ月で終了された。これにより、「『法令データ提供システム』に収載されていたが『e-Gov法令検索』に収載されていない」法令(e-Gov法令検索稼働前に廃止された法令)の条文を閲覧することができなくなった。

鉄道運転規則もその一つであり、2003年の廃止以後も法令データが残されていたが新システム稼働により失われてしまった。官報を調べれば法令の条文を確認することはできるが、このインターネットの時代にオンラインで(廃止済みとはいえ)条文を検索できないのは不便ではないか、と思い至ったのだ。

法令に著作権は存在しない。これは著作権法第十三条の規定にある通りである。ならば自分でデータベースにするもの良いのではないか。

と考えて始めたのが今行なっている一連の事である。

 

もっとも、法令のあらましやどう改正されたかなんかは運転教本といった「本職」の人たちが持っている書籍にも書かれている(しかも解説付きで詳細に)だろうし、そもそもこんな情報を欲する人が他にいるのか疑問でもある。

旅客営業規則や取扱基準規程なんかは日頃利用する旅客にとっては重要な問題であるし、収集鉄が欲するへんてこりんな切符(これは私も欲するが)を生み出すための重要な要素である。

しかし法令はそう多く改正されるものでもないし旅客には全くといっていいほど関係するものではないし、収集鉄以上にニッチな領域でその情報を欲する人がいるのだろうか。

脚注

  1. 法律や政省庁令の改正は必ず官報に掲載されるため該当する官報を閲覧すれば良いが、局長通達・通知レベルになると専門書籍を探さなければならなくなるため難易度が上がる。
  2. 大抵は、改正法の題名・法律番号、改正法の施行日について、経過措置について等が書かれている。
  3. 2001年稼働開始、2017年10月2日稼働停止