Suicaで新幹線【追記有】 – 「研究日誌」20171206

2018年11月23日

とうとうやってきたか、という気持ち。

 JR東日本が今日の定例社長会見で「『タッチでGo!新幹線』の開始について」を発表しました。

 これまで東北・北海道・上越・北陸・山形・秋田新幹線をSuica等のIC乗車券で利用する場合はモバイルSuicaを用いた「モバイルSuica特急券」が、東北新幹線・東京〜那須塩原及び郡山〜古川、上越新幹線・大宮〜上毛高原及び長岡〜新潟、北陸新幹線・高崎〜上越妙高ではこれに加え「SuicaFREX定期券1」、「SuicaFREXパル定期券1」、「Suica定期券2」でのみ利用可能であり、非定期券のIC乗車券で新幹線を利用することは出来なかった。

 しかし2018年4月1日(予定)より、上記区間のうち郡山〜古川を除いて非定期券のIC乗車券でも新幹線の自由席に乗車することができるようになるのだ。

 同様のICカードでの新幹線改札通過は既にJR東海・JR西日本が東海道新幹線で「スマートEX」「エクスプレス予約」を対象に行っている。しかしこちらは「JR東海エクスプレス・カード」「J-WESTカード(エクスプレス)」の会員に貸与される専用の「EX-IC3」或いはそれに紐付けされたモバイルSuicaのみが対象で、また自由席に乗車する場合でも予めPC・スマホ等で予約・購入しなければならない。
【追記2017/12/06 0:14】
EX-ICカードが発行されるのは「エクスプレス予約」会員かつ上記クレジット会員のみ。2017年9月30日から開始されたスマートEXサービスでは、国際ブランドのクレジットカードと全国相互利用対象IC乗車券10種を登録することによりEX-ICと同様に利用することが可能。但し両者では運賃・料金が異なる。

 しかし今回発表された「タッチでGo!新幹線」では、事前にサイトで予約購入せずともIC乗車券をタッチするだけで新幹線に乗ることが出来るのだ。しかもSuicaの他全国相互利用対象9種のIC乗車券に対応している。

 ただしこれは乗車券・特急券の効力が一体となっており、降車駅で在来線に乗り換える場合は別途降車駅から目的駅までの運賃が別途必要になる。

 サービス開始から当分の間は紙のきっぷ(乗車券+新幹線自由席特急券)で乗るよりも安くなるキャンペーン価格で利用できる。更に2019年度末にもIC乗車券で指定席に乗車できるようなサービスが開始されるとのことで、今後IC乗車券での新幹線利用が増加しそうだ。


 しかしモバイルSuica特急券との料金差はどうなるのだろうか。モバイルSuica特急券で新幹線を利用する場合は紙のきっぷで利用するよりも安く乗れるし、更に列車・区間限定で「スーパーモバトク」という更に割安な料金も設定されている。今回発表のサービスはキャンペーン期間後は紙のきっぷと同額となっており、更に今後導入予定の指定席サービスでも「同じSuicaなのに料金が異なる」という事態が発生するだろう。

 これとは別に紙のきっぷでは「えきねっと」の「トクだ値」「お先にトクだ値」という割引サービスもあり、利用者の混乱も招きそうだが・・・。そこまで気にする人間なんて鉄だけでしょうけど。

 一度、予約サービスの整理をした方がいいと思うのは私だけだろうか。

脚注

  1. いわゆる通勤定期で「FREX定期券」のSuica版。
  2. 通常のSuica定期券で、前述区間内かつ新幹線停車駅が2駅以上の場合(例: 東京〜大宮)。この場合利用区間のSuica定期券用特急料金が残高から引き去られる。
  3. 「JR東海エクスプレス・カード」会員は「TOICA機能付EX-IC」を申し込むことも可能