アマチュア無線局の運用規則
参照法令
- 無線局運用規則(昭和25年電波監理委員会規則第17号)(令和7年(2025年)1月1日から適用のもの)
(編注:{}で囲まれたモールス符号は、文字の上に線を付した略符号(その全部を1符号として送信するモールス符号)を意味する。)
目次
無線局運用規則
第一章 総則
第一節 総則
第二条(定義等)
この規則の規定の解釈に関しては、次の定義に従うものとする。
一 「漁業局」とは、漁業用の海岸局及び漁船の船舶局をいう。
二 「漁業通信」とは、漁業用の海岸局(漁業の指導監督用のものを除く。)と漁船の船舶局(漁業の指導監督用のものを除く。以下この号において同じ。)との間及び漁船の船舶局相互間において行う漁業に関する無線通信をいう。
三 「中波帯」とは、二八五kHzから五三五kHzまでの周波数帯をいう。
四 「中短波帯」とは、一、六〇六・五kHzから四、〇〇〇kHzまでの周波数帯をいう。
五 「短波帯」とは、四、〇〇〇kHzから二六、一七五kHzまでの周波数帯をいう。
六 「通常通信電波」とは、通報の送信に通常用いる電波をいう。
七 「モールス無線電信」とは、電波を利用して、モールス符号を送り、又は受けるための通信設備をいう。
2 単側波帯の電波を使用する海上移動業務又は海上無線航行業務の無線局についてのこの規則の適用については、「A二A電波」とあるのは「H二A電波」とし、「A三E電波」とあるのは「H三E電波」とする。
第二節 無線設備の機能の維持等
第四条(周波数の測定)
法第三十一条の規定により周波数測定装置を備えつけた無線局は、できる限りしばしば自局の発射する電波の周波数(施行規則第十一条の三第三号に該当する送信設備の使用電波の周波数を測定することとなつている無線局であるときは、それらの周波数を含む。)を測定しなければならない。
2 施行規則第十一条の三第四号の規定による送信設備を有する無線局は、別に備えつけた法第三十一条の周波数測定装置により、できる限りしばしば当該送信設備の発射する電波の周波数を測定しなければならない。
3 前二項の測定の結果、その偏差が許容値をこえるときは、直ちに調整して許容値内に保たなければならない。
4 第一項及び第二項の無線局は、その周波数測定装置を常時法第三十一条に規定する確度を保つように較正しておかなければならない。
第二章 一般通信方法
第一節 通則
第十条(無線通信の原則)
必要のない無線通信は、これを行なつてはならない。
2 無線通信に使用する用語は、できる限り簡潔でなければならない。
3 無線通信を行うときは、自局の識別信号を付して、その出所を明らかにしなければならない。
4 無線通信は、正確に行うものとし、通信上の誤りを知つたときは、直ちに訂正しなければならない。
第十二条(モールス符号の使用)
モールス無線電信による通信(以下「モールス無線通信」という。)には、別表第一号に掲げるモールス符号を用いなければならない。
第十三条(業務用語)
無線電信による通信(以下「無線電信通信」という。)の業務用語には、別表第二号に定める略語又は符号(以下「略符号」という。)を使用するものとする。ただし、デジタル選択呼出装置による通信(以下「デジタル選択呼出通信」という。)及び狭帯域直接印刷電信による通信(以下「狭帯域直接印刷電信通信」という。)については、この限りでない。
2 無線電信通信においては、前項の略符号と同意義の他の語辞を使用してはならない。ただし、航空、航空の準備及び航空の安全に関する情報を送信するための固定業務以外の固定業務においては、別に告示する略符号の使用を妨げない。
第十四条
無線電話による通信(以下「無線電話通信」という。)の業務用語には、別表第四号に定める略語を使用するものとする。
2 無線電話通信においては、前項の略語と同意義の他の語辞を使用してはならない。ただし、別表第二号に定める略符号(「QRT」、「QUM」、「QUZ」、「{DDD}」、「{SOS}」、「TTT」及び「XXX」を除く。)の使用を妨げない。
第十五条
無線電信通信の手送りによる通報の送信速度の標準は、一分間について次のとおりとする。
和文 七十五字
欧文暗語 十六語
欧文普通語 二十語
2 前項の送信速度は、空間の状態及び受信者の技倆その他相手局の受信状態に応じて調節しなければならない。
3 遭難通信、緊急通信又は安全通信に係る第一項の送信速度は、同項の規定にかかわらず、原則として、一分間について和文七十字、欧文十六語をこえてはならない。
第十六条
無線電話通信における通報の送信は、語辞を区切り、かつ、明りように発音して行なわなければならない。
2 遭難通信、緊急通信又は安全通信に係る前項の送信速度は、受信者が筆記できる程度のものでなければならない。
第十八条(無線電話通信に対する準用)
無線電話通信の方法については、第二十条第二項の呼出しその他特に規定があるものを除くほか、この規則の無線電信通信の方法に関する規定を準用する。
第二節 無線電信通信の方法
第十九条(この節の規定の適用範囲)
この節の規定は、無線電信通信(デジタル選択呼出通信及び狭帯域直接印刷電信通信を除く。)の一般的方法について定める。
第十九条の二(発射前の措置)
無線局は、相手局を呼び出そうとするときは、電波を発射する前に、受信機を最良の感度に調整し、自局の発射しようとする電波の周波数その他必要と認める周波数によつて聴守し、他の通信に混信を与えないことを確かめなければならない。ただし、遭難通信、緊急通信、安全通信及び法第七十四条第一項に規定する通信を行なう場合並びに海上移動業務以外の業務において他の通信に混信を与えないことが確実である電波により通信を行なう場合は、この限りでない。
2 前項の場合において、他の通信に混信を与える虞があるときは、その通信が終了した後でなければ呼出しをしてはならない。
第二十条(呼出し)
呼出しは、順次送信する次に掲げる事項(以下「呼出事項」という。)によつて行うものとする。
一 相手局の呼出符号 三回以下(海上移動業務にあつては二回以下)
二 DE 一回
三 自局の呼出符号 三回以下(海上移動業務にあつては二回以下)
第二十一条(呼出しの反復及び再開)
海上移動業務における呼出しは、一分間以上の間隔をおいて二回反復することができる。呼出しを反復しても応答がないときは、少なくとも三分間の間隔をおかなければ、呼出しを再開してはならない
2 海上移動業務における呼出し以外の呼出しの反復及び再開は、できる限り前項の規定に準じて行うものとする。
第二十二条(呼出しの中止)
無線局は、自局の呼出しが他の既に行われている通信に混信を与える旨の通知を受けたときは、直ちにその呼出しを中止しなければならない。無線設備の機器の試験又は調整のための電波の発射についても同様とする。
2 前項の通知をする無線局は、その通知をするに際し、分で表わす概略の待つべき時間を示すものとする。
第二十三条(応答)
無線局は、自局に対する呼出しを受信したときは、直ちに応答しなければならない。
2 前項の規定による応答は、順次送信する次に掲げる事項(以下「応答事項」という。)によつて行うものとする。
一 相手局の呼出符号 三回以下(海上移動業務にあつては二回以下)
二 DE 一回
三 自局の呼出符号 一回
3 前項の応答に際して直ちに通報を受信しようとするときは、応答事項の次に「K」を送信するものとする。但し、直ちに通報を受信することができない事由があるときは、「K」の代りに「{AS}」及び分で表わす概略の待つべき時間を送信するものとする。概略の待つべき時間が十分以上のときは、その理由を簡単に送信しなければならない。
4 前二項の場合において、受信上特に必要があるときは、自局の呼出符号の次に「QSA」及び強度を表わす数字又は「QRK」及び明瞭度を表わす数字を送信するものとする。
第二十四条(通報の有無の通知)
呼出し又は応答に際して相手局に送信すべき通報の有無を知らせる必要があるときは、呼出事項又は応答事項の次に「QTC」又は「QRU」を送信するものとする。
2 前項の場合において、送信すべき通報の通数を知らせようとするときは、その通数を表わす数字を「QTC」の次に送信するものとする。
第二十五条(通報の連続送信)
通報を連続して送信しようとするときは、相手局の同意を求めなければならない。この場合は、「QSG?」を送信して行うものとする。
2 前項の連続送信に同意するときは、「QSG(必要と認めるときは、一連続として受信しようとする通報の通数を示す数字を附する。)」を、拒絶するときは「QSG NO」を送信するものとする。
第二十六条(不確実な呼出しに対する応答)
無線局は、自局に対する呼出しであることが確実でない呼出しを受信したときは、その呼出しが反覆され、且つ、自局に対する呼出しであることが確実に判明するまで応答してはならない。
2 自局に対する呼出しを受信した場合において、呼出局の呼出符号が不確実であるときは、応答事項のうち相手局の呼出符号の代りに「QRZ?」を使用して、直ちに応答しなければならない。
第二十九条(通報の送信)
呼出しに対し応答を受けたときは、相手局が「{AS}」を送信した場合及び呼出しに使用した電波以外の電波に変更する場合を除き、直ちに通報の送信を開始するものとする。
2 通報の送信は、左に掲げる事項を順次送信して行うものとする。ただし、呼出しに使用した電波と同一の電波により送信する場合は、第一号から第三号までに掲げる事項の送信を省略することができる。
一 相手局の呼出符号 一回
二 DE 一回
三 自局の呼出符号 一回
四 通報
五 K 一回
3 前項の送信において、通報は、和文の場合は「{ラタ}」、欧文の場合は「{AR}」をもつて終るものとする。
第三十条(長時間の送信)
無線局は、長時間継続して通報を送信するときは、三十分(アマチュア局にあつては十分)ごとを標準として適当に「DE」及び自局の呼出符号を送信しなければならない。
第三十一条(誤送の訂正)
送信中において誤つた送信をしたことを知つたときは、左に掲げる略符号を前置して正しく送信した適当の語字から更に送信しなければならない。
一 手送による和文の送信の場合は、{ラタ}
二 自動機(自動的にモールス符号を送信又は受信するものをいう。以下同じ。)による送信及び手送による欧文の送信の場合は、{HH}
第三十二条(通報の反覆)
相手局に対し通報の反覆を求めようとするときは、「RPT」の次に反覆する箇所を示すものとする。
第三十三条
送信した通報を反覆して送信するときは、一字若しくは一語ごとに反覆する場合又は略符号を反覆する場合を除いて、その通報の各通ごと又は一連続ごとに「RPT」を前置するものとする。
第三十四条(通信中の周波数の変更)
通信中において、混信の防止その他の必要により使用電波の型式又は周波数の変更を要求しようとするときは、次の事項を順次送信して行うものとする。ただし、用いようとする電波の周波数があらかじめ定められているときは、第二号に掲げる事項の送信を省略することができる。
一 QSU又はQSW若しくはQSY 一回
二 変更によつて使用しようとする周波数(又は型式及び周波数) 一回
三 ?(「QSW」を送信したときに限る。) 一回
第三十五条
前条に規定する要求を受けた無線局は、これに応じようとするときは、「R」を送信し(通信状態等により必要と認めるときは、「QSW」及び前条第二号の事項を続いて送信する。)、直ちに周波数(又は型式及び周波数)を変更しなければならない。
第三十六条(送信の終了)
通報の送信を終了し、他に送信すべき通報がないことを通知しようとするときは、送信した通報に続いて次に掲げる事項を順次送信するものとする。
一 NIL
二 K
第三十七条(受信証)
通報を確実に受信したときは、左に掲げる事項を順次送信するものとする。
一 相手局の呼出符号 一回
二 DE 一回
三 自局の呼出符号 一回
四 R 一回
五 最後に受信した通報の番号 一回
2 国内通信を行なう場合においては、前項第五号に掲げる事項の送信に代えて受信した通報の通数を示す数字一回を送信することができる。
3 海上移動業務以外の業務においては、第一項第一号から第三号までに掲げる事項の送信を省略することができる。
第三十八条(通信の終了)
通信が終了したときは、「{VA}」を送信するものとする。ただし、海上移動業務以外の業務においては、これを省略することができる。
第三十九条(試験電波の発射)
無線局は、無線機器の試験又は調整のため電波の発射を必要とするときは、発射する前に自局の発射しようとする電波の周波数及びその他必要と認める周波数によつて聴守し、他の無線局の通信に混信を与えないことを確かめた後、次の符号を順次送信し、更に一分間聴守を行い、他の無線局から停止の請求がない場合に限り、「VVV」の連続及び自局の呼出符号一回を送信しなければならない。この場合において、「VVV」の連続及び自局の呼出符号の送信は、十秒間をこえてはならない。
一 EX 三回
二 DE 一回
三 自局の呼出符号 三回
2 前項の試験又は調整中は、しばしばその電波の周波数により聴守を行い、他の無線局から停止の要求がないかどうかを確かめなければならない。
第四章 固定業務、陸上移動業務及び携帯移動業務の無線局、簡易無線局並びに非常局の運用
第一節 通信方法
第百二十六条の二(呼出し又は応答の簡易化)
空中線電力五十ワツト以下の無線設備を使用して呼出し又は応答を行う場合において、確実に連絡の設定ができると認められるときは、第二十条第一項第二号及び第三号又は第二十三条第二項第一号に掲げる事項の送信を省略することができる。
2 前項の規定により第二十条第一項第二号及び第三号に掲げる事項の送信を省略した無線局は、その通信中少なくとも一回以上自局の呼出符号を送信しなければならない。
第百二十六条の三(呼出符号の使用の特例)
空中線電力五十ワツト以下の無線電話を使用する無線局で別に告示するものについては、連絡の設定が容易であり、かつ、混同のおそれがないと認められる場合には、別に定めるところにより簡略した符号又は名称を総務大臣に届け出たうえ、当該符号又は名称をその呼出符号又は呼出名称に代えて使用することができる。
第百二十七条(一括呼出しの応答順位)
免許状に記載された通信の相手方である無線局を一括して呼び出そうとするときは、左の事項を順次送信するものとする。
一 CQ 三回
二 DE 一回
三 自局の呼出符号 三回以下
四 K 一回
2 前項の一括呼出しに対する各無線局の応答順位は、関係の免許人においてあらかじめ定めておかなければならない。
3 第一項の呼出しを受けた無線局は、前項の順序に従つて応答しなければならない。
第百二十七条の二 特に急を要する内容の通報を送信する場合であつて、相手局が受信していることが確実であるときは、相手局の応答を待たないで通報を送信することができる。
第百二十七条の三(特定局あて一括呼出し)
二以上の特定の無線局を一括して呼び出そうとするときは、次に掲げる事項を順次送信して行なうものとする。
一 相手局の呼出符号(又は識別符号) それぞれ二回以下
二 DE 一回
三 自局の呼出符号 三回以下
四 K 一回
2 前項第一号に掲げる相手局の呼出符号は、「CQ」に地域名を付したものをもつて代えることができる。
第百二十七条の四(各局あて同報)
第五十九条第一項の規定は、免許状に記載された通信の相手方に対して同時に通報を送信する場合に準用する。
第百二十八条(特定局あて同報)
二以上の特定の通信の相手方に対して同時に通報を送信しようとするときは、第百二十七条の三第一項第一号から第三号までに掲げる事項に引き続き、通報を送信して行なうものとする。
2 二以上の周波数の電波を使用して同一事項を同時に送信するときは、それらの周波数ごとに指定された自局の呼出符号は、斜線をもつて区別しなければならない。
第二節 非常の場合の無線通信
第百二十九条(送信順位)
法第七十四条第一項に規定する通信における通報の送信の優先順位は、左の通りとする。同順位の内容のものであるときは、受付順又は受信順に従つて送信しなければならない。
一 人命の救助に関する通報
二 天災の予報に関する通報(主要河川の水位に関する通報を含む。)
三 秩序維持のために必要な緊急措置に関する通報
四 遭難者救援に関する通報(日本赤十字社の本社及び支社相互間に発受するものを含む。)
五 電信電話回線の復旧のため緊急を要する通報
六 鉄道線路の復旧、道路の修理、罹災者の輸送、救済物資の緊急輸送等のために必要な通報
七 非常災害地の救援に関し、左の機関相互間に発受する緊急な通報
中央防災会議(災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第十一条に規定する中央防災会議をいう。)並びに緊急災害対策本部(同法第二十八条の二に規定する緊急災害対策本部をいう。)、非常災害対策本部(同法第二十四条に規定する非常災害対策本部をいう。)及び特定災害対策本部(同法第二十三条の三に規定する特定災害対策本部をいう。)
地方防災会議等(同法第二十一条に規定する地方防災会議等をいう。)
災害対策本部(同法第二十三条に規定する都道府県災害対策本部及び同法第二十三条の二に規定する市町村災害対策本部をいう。)
八 電力設備の修理復旧に関する通報
九 その他の通報
2 前項の順位によることが不適当であると認める場合は、同項の規定にかかわらず、適当と認める順位に従つて送信することができる。
第百三十条(使用電波)
A一A電波四、六三〇kHzは、連絡を設定する場合に使用するものとし、連絡設定後の通信は、通常使用する電波によるものとする。ただし、通常使用する電波によつて通信を行うことができないか又は著しく困難な場合は、この限りでない。
第百三十一条(前置符号)
法第七十四条第一項に規定する通信において連絡を設定するための呼出し又は応答は、呼出事項又は応答事項に「」三回を前置して行うものとする。
第百三十二条(「{OSO}」を受信した場合の措置)
「{OSO}」を前置した呼出しを受信した無線局は、応答する場合を除く外、これに混信を与える虞のある電波の発射を停止して傍受しなければならない。
第百三十三条(一括呼出し等)
法第七十四条第一項に規定する通信において、各局あて又は特定の無線局あての一括呼出し又は同時送信を行なう場合には、「CQ」又は第百二十七条の三第一項第一号に掲げる事項の前に「{OSO}」三回を送信するものとする。
第百三十四条(聴守)
非常の事態が発生したことを知つたその付近の無線電信局は、なるべく毎時の零分過ぎ及び三十分過ぎから各十分間A一A電波四、六三〇kHzによつて聴守しなければならない。
第百三十五条(通報の送信方法)
法第七十四条第一項に規定する通信において通報を送信しようとするときは、「ヒゼウ」(欧文であるときは、「EXZ」)を前置して行うものとする。
第百三十五条の二(訓練のための通信)
第百二十九条から前条までの規定は、法第七十四条第一項に規定する通信の訓練のための通信について準用する。この場合において、第百三十一条から第百三十三条までにおいて「「{OSO}」」とあり、前条において「「ヒゼウ」(欧文であるときは、「EXZ」)」とあるのは、「「クンレン」」と読み替えるものとする。
第百三十六条(取扱の停止)
非常通信の取扱を開始した後、有線通信の状態が復旧した場合は、すみやかにその取扱を停止しなければならない。
第百三十七条(規定の準用)
第百二十九条から前条までの規定は、第百二十五条に規定する無線局以外の無線局の運用について準用する。
第八章 アマチュア局の運用
第二百五十七条(発射の制限等)
アマチュア局においては、その発射の占有する周波数帯幅に含まれているいかなるエネルギーの発射も、その局が動作することを許された周波数帯から逸脱してはならない。
第二百五十八条
アマチュア局は、自局の発射する電波が他の無線局の運用又は放送の受信に支障を与え、若しくは与える虞があるときは、すみやかに当該周波数による電波の発射を中止しなければならない。但し、遭難通信、緊急通信、安全通信及び法第七十四条第一項に規定する通信を行う場合は、この限りでない。
第二百五十八条の二(周波数等の使用区別)
アマチュア業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別は、別に告示するところによるものとする。
第二百五十九条(禁止する通報)
アマチュア局の送信する通報は、他人の依頼によるものであつてはならない。ただし、地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、又は発生するおそれがある場合における、人命の救助、災害の救援、交通通信の確保又は秩序の維持のために必要な通報及び人工衛星に開設するアマチュア局の送信する通報は、この限りでない。
第二百六十条(無線設備の操作)
アマチュア局の無線設備の操作を行う者は、免許人(免許人が社団である場合は、その構成員)以外の者であつてはならない。
第二百六十一条(規定の準用)
アマチュア局の運用については、この章に規定するもののほか、第四章及び次章の規定を準用する。
第九章 宇宙無線通信の業務の無線局の運用
第二百六十二条(混信の防止)
対地静止衛星(地球の赤道面上に円軌道を有し、かつ、地球の自転軸を軸として地球の自転と同一の方向及び周期で回転する人工衛星をいう。以下同じ。)に開設する人工衛星局以外の人工衛星局及び当該人工衛星局と通信を行う地球局は、その発射する電波が対地静止衛星に開設する人工衛星局と固定地点の地球局との間で行う無線通信又は対地静止衛星に開設する衛星基幹放送局の放送の受信に混信を与えるときは、当該混信を除去するために必要な措置を執らなければならない。
2 対地静止衛星に開設する人工衛星局と対地静止衛星の軌道と異なる軌道の他の人工衛星局との間で行われる無線通信であつて、当該他の人工衛星局と地球の地表面との最短距離が対地静止衛星に開設する人工衛星局と地球の地表面との最短距離を超える場合にあつては、対地静止衛星に開設する人工衛星局の送信空中線の最大輻射の方向と当該人工衛星局と対地静止衛星の軌道上の任意の点とを結ぶ直線との間でなす角度が十五度以下とならないよう運用しなければならない。
3 十二・二GHzを超え十二・四四GHz以下の周波数の電波を受信する設備規則第五十四条の三第一項において無線設備の条件が定められている地球局が受信する電波の周波数の制御を行う地球局は、十二・二GHzを超え十二・四四GHz以下の周波数の電波を使用する固定局からの混信を回避するため、当該電波を受信する地球局の受信周波数を適切に選択しなければならない。
第二百六十二条の二 設備規則第四十九条の二十三の五に規定する無線設備を使用する携帯移動地球局及び設備規則第五十四条の三第三項に規定する無線設備を使用する地球局は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 天頂を九〇度とした送信空中線の最大輻射の方向の仰角の値が二十五度以下とならないよう運用しなければならない。
二 設備規則第四十九条の二十三の五に規定する無線設備を使用する携帯移動地球局を船上で運用する場合において、低潮線の平均海面からの高さ八〇メートル地点における最大電力束密度(当該携帯移動地球局からの電波であつて、最大の電力密度の一MHzの帯域幅における一平方メートル当たりの電力束密度とし、一ワットを〇デシベルとする。次号において同じ。)の値は(-)一一六デシベルを超えて運用しないこと。
三 設備規則第四十九条の二十三の五に規定する無線設備を使用する携帯移動地球局を航空機に搭載して運用する場合において、地表面における最大電力束密度の値は次の表の上欄に掲げる地表面における水平方向を基準とした電波の到来角の区分に従い、それぞれ同表の下欄に掲げる値を超えて運用しないこと。
電波の到来角(θ) | 電力束密度 |
五度以下 | (-)一二二デシベル |
五度を超え四〇度以下 | 次に掲げる式による値以下 -127+θデシベル |
四〇度を超え九〇度以下 | (-)八七デシベル |
第二百六十二条の三
前条の規定は、設備規則第四十九条の二十三の六に規定する無線設備を使用する携帯移動地球局又は設備規則第五十四条の三第四項に規定する無線設備を使用する地球局を運用するときについて準用する。この場合において、前条第一号中「二十五度」とあるのは「四十五度」と、同条第二号及び第三号中「設備規則第四十九条の二十三の五」とあるのは「設備規則第四十九条の二十三の六」と読み替えるものとする。
第二百六十二条の四
設備規則第四十九条の二十四の二に規定する無線設備を使用する携帯移動地球局は、次の表の上欄に掲げる区別に従い、それぞれ同表の下欄に掲げる海域においては、電波を発射してはならない。ただし、総務大臣が別に告示する場合は、この限りでない。
区別 | 海域 | |
五、九二五MHzを超え六、四二五MHz以下の周波数の電波を使用する場合 | 空中線の大きさが直径一・二メートル以上二・四メートル未満 | 全ての沿岸国の低潮線から三三〇キロメートル以内の海域 |
空中線の大きさが直径二・四メートル以上 | 全ての沿岸国の低潮線から三〇〇キロメートル以内の海域 | |
一四・〇GHzを超え一四・四GHz以下の周波数の電波を使用する場合 | 本邦以外の沿岸国の低潮線から一二五キロメートル以内の海域 | |
一四・四GHzを超え一四・五GHz以下の周波数の電波を使用する場合 | 全ての沿岸国の低潮線から一二五キロメートル以内の海域 |
第二百六十二条の五
設備規則第四十九条の二十四の三に規定する無線設備を使用する携帯移動地球局は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 同一の通信の相手方である人工衛星局の同一のトランスポンダを使用して同一の周波数の電波を使用する一又は二以上の携帯移動地球局は、当該人工衛星局と隣接する人工衛星局との間で調整された隣接する人工衛星局方向の軸外等価等方輻射電力の総和の値を超えて運用しないこと。
二 地表面における最大電力束密度(当該携帯移動地球局からの電波であつて、一四・四GHzを超える周波数の電波のスペクトルのうち、最大の電力密度の一MHzの帯域幅における一平方メートル当たりの電力束密度とする。)の値は、次の表の上欄に掲げる地表面における水平方向を基準とした電波の到来角の区分に従い、それぞれ同表の下欄に掲げる値を超えて運用しないこと。
電波の到来角(θ) | 電力束密度 |
四〇度以下 | 次に掲げる式による値以下 -132+0.5θデシベル(注) |
四〇度を超え九〇度以下 | (-)一一二デシベル(注) |
注 一ワットを〇デシベルとする。
三 一四・四七GHzを超え一四・五GHz以下の周波数の電波を受信する電波天文業務の用に供する受信設備の設置場所の見通し域内では、当該電波天文業務の用に供する受信設備の設置場所の地表面における最大電力束密度(当該携帯移動地球局からの電波であつて、当該電波天文業務の用に供する受信設備が受信する一四・四七GHzを超え一四・五GHz以下の周波数の電波のスペクトルのうち、最大の電力密度の一五〇kHzの帯域幅における一平方メートル当たりの電力束密度とする。)の値は、次の表の上欄に掲げる当該電波天文業務の用に供する受信設備の設置場所の地表面における水平方向を基準とした電波の到来角の区分に従い、それぞれ同表の下欄に掲げる値を超えて運用しないこと。
電波の到来角(θ) | 電力束密度 |
一〇度以下 | 次に掲げる式による値以下 -190+0.5θデシベル(注) |
一〇度を超え九〇度以下 | (-)一八五デシベル(注) |
注 一ワットを〇デシベルとする。