POS券 – 「みちのく撮り鉄記」20171012
きっぷが好きなのよ。
JRにおいて、駅員が操作する乗車券類販売端末は、マルス1)・総販2)に使用されるネットワーク接続型と、ネットワークに接続されないスタンドアローン型がある。前者は俗に「マルス端末」や「MR端末」等と呼ばれ、後者は「POS端末」と呼ばれる。
POS端末とは「駅収入管理システム」の一つであり、それまで帳簿で管理していた駅での収入と支出をコンピュータでできるようになった3)。
さてこのPOS端末には乗車券や自由席急行券、自由席グリーン券等を磁気券で発売することができる。指定券を磁気券で発売できないのは、指定席は全てマルスが管理していてPOS端末はマルスにアクセスすることができないからだ4)。しかしマルスを置いていない駅でも指定券を求める旅客は居る。この場合は、駅員が最寄りのマルス端末設置駅に電話で問い合わせ、座席を確保してもらった上で、手書きの「料金専用補充券(通称、料補)」で発売される。よって手書きの切符を手に入れるにはPOS端末設置駅(またその中でも指定券取扱の駅)に行かねばならない。
夏期休暇前に知人から誘われていた「POS設置駅巡り」を今回やってきました。
午前9時、弘前駅に集合。
しかし普通列車はこの先2時間ないため、特急「つがる2号」に乗り、一路秋田駅へ。
特急とはいえ2時間かかる距離。最初は会話が弾んでも徐々に口数が少なくなり、携帯をポチポチ。
何も食べるものを買わずに特急に乗ってしまい腹が減っていたので、秋田駅でうどんを食べました。改札に戻ってくると発車標に見慣れぬ列車名が。
所長「なにあれ」
友人「きらきらしらかみリレー号?」
所長「撮りてえ。羽後境行って戻ってこれるかな?」
友人「うーん・・・(携帯で検索)。残念!w 5分遅い!」
所長「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
というわけでお預けのまま羽後境駅へ。
羽後境駅のPOSで発券してもらった乗車券。
羽後境から奥羽本線, 男鹿線を経由して二田まで。
マルス券はPOS券と違い、経由路線が(路線名と同名の駅名がなければ)本線・線が省略される(例:奥羽本線→奥羽)。
本当は上記の乗車券の通り男鹿線へ行く予定だったが、時間的な問題から断念。再びPOS券を求めて大久保駅へ。
しかし「大久保駅では指定券の取扱はしていない」と言われてしまう。仕方なく次の羽後飯塚へ行くがまたもNG回答。どうやら潟上市が受託する駅では指定券の販売はしていないらしい。
うなだれていると、
友人「よし、井川さくらに行こう」
所長「そこなら売ってるの?」
友人「うん、町のHPに書いてある」
なんということだ、ならば最初から井川さくらへ行けば良かったじゃないか。ありがとう井川町。
そして次の電車に乗り、井川さくら駅へ。
リゾートしらかみ4号の指定席券
料補も購入でき満足した私たちはそのまま井川さくらから弘前まで帰ったのであった。
1):国鉄が1960年に運用を開始し、現在は鉄道情報システム(JRシステム)が管理する旅客総合販売システムの名前。JR及びJRから・JRへ直通する列車の指定席全てを管理しており、他にもJR全線及び連絡運輸規程のある私鉄・第三セクター路線の乗車券、宿泊券・遊園地や展覧会の入場券なども販売している。
2):JR北海道が管理する総合販売システム。本州との通信費削減のために開発され、自社線内完結の乗車券、自由席特急券等を販売している(他社線にまたがる場合は運賃の配分を行う必要があり、JR北海道の特急等も指定席はマルスが管理するため)。
3):マルス端末にも収支管理機能はあるが、これはマルス端末で発売・控除した乗車券類の管理しかできず、自動券売機や補充券等の収支は管理できない。
4):乗車券や自由席急行券は発売枚数に制限がなく、またPOS端末内に営業キロ等のデータがあるためマルスと通信しなくても発売ができる。
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